環境省は24日、温泉施設で発生する「可燃性天然ガス」による爆発事故を防ぐための暫定対策を決め、都道府県に通知した。東京都渋谷区の温泉施設爆発事故を受けた措置。 対象となるのは、温泉に相当量の可燃性ガスが含まれ、源泉やくみ上げ設備が屋内にある施設。既存施設に対しては、ガス検知器の設置のほか、(1)十分な換気(2)源泉施設などでの火気の使用禁止(3)安全担当者の配置──を求めた。 今後建設される施設については、「事業者に対し、本格的な対策の方針が定まるまでの間、源泉などの設備を屋内、または地下室に設置しないよう要請する」とした。 都道府県は遅くとも8月中には必要な事業者への要請を行うとともに、9月末までの暫定対策の実施状況を報告するよう求めた。
10日就任した国土交通省の本保芳明・総合観光政策審議官は20日、専門紙向けの記者会見で、観光庁構想と観光立国推進基本計画の実現が最大の使命だと抱負を語った。観光庁創設に向けては、観光行政が総合力を発揮できるような態勢のあり方を検討し、8月末が期限となる来年度組織要求に盛り込むべきかを判断する。基本計画に掲げた目標の実現では、スピード、効率、成果を重視して実施計画を推進していく考えを示した。 観光庁創設に関して、本保総観審は「大きなミッションの1つが『観光庁構想』の実現。『観光庁』と言わないのは、組織を作ることが目的ではなく、観光行政のパワーアップを図ることこそが重要だからだ。観光の仕事は総合力、観光庁はそれを推し進めるための新たな仕組みだと理解している。作り方によっては有効な仕組みになる」との認識を示し、今後の検討に意欲をみせた。 もう1つの「ミッション」として挙げたのが、基本計画の実現。「先般閣議決定された基本計画は、数値目標が明確でわかりやすい。ただ、今はまだ紙の計画に過ぎない。実施計画を作って、目標を実現して初めて意味がある。基本計画は5カ年計画ではあるが、目標を3年目に前倒しするぐらいのロードマップを描いて推進すべきだ。そのためにはスピード、効率、成果が大事になってくる」と述べた。 本保総観審は、03年4月〜今年6月の約4年間、日本郵政公社の理事を務めた経験から、民間経営の手法を生かした行政運営に意欲をみせたほか、観光に携わる関係者に向けて「観光のプレイヤーはあくまで民間、地域。官が出すぎると良くないこともある。官民それぞれが役割を分担して目標の実現にあたるべきだ」と訴えた。
今年の観光週間の統一標語が「休みをとって出かけよう! 1人で、家族で、大勢で。」に決まった。期間は例年通り8月1〜7日。観光立国推進基本法が制定されて初めて迎える観光週間として、主催の政府や都道府県では、協賛団体などを通じて積極的な広報活動を呼びかけている。観光、運輸に関連する92団体が協賛している。 観光週間は昭和40年に始まり、今年で43回目を迎える。「観光道徳の高揚と観光資源の保護週間」が正式名称。国民に旅行を促すとともに、旅先の歴史や文化を尊重し、観光資源の保護に努めるよう啓発するのが目的。 国土交通省は19日、協賛団体に対する説明会を開いた。国土交通省の本保芳明・総合観光政策審議官は「観光道徳も、観光資源の保護も、気持ちよくサービスを提供、または享受するための基盤となるものだ。観光週間のみならず、観光の本当のプレイヤーは民間。官民がそれぞれの役割を果たし、ユーザーであるお客さまの満足度を高めることが重要だ」と述べた。 説明会では、観光立国推進基本計画や国内旅行需要喚起のための休暇のあり方について担当課から説明があった。