国土交通省は10日、道路とその沿道の景観づくりを観光振興や地域活性化につなげる「日本風景街道」事業で、地域からのルート登録の受け付けを開始した。国交省では、登録地域の活動を支援するとともに、各地の「風景街道」をブランド化して国内外にPRするため、10年度をめどに第三者機関によるランク付けなどの評価制度を導入する。来年度の概算要求には事業の推進費として3億円を要求している。
日本風景街道は、米国の「シーニックバイウェイ」の活動をヒントに検討を始めた。民間有識者でつくる日本風景街道戦略会議(委員長=奥田碩・日本経団連名誉会長)が今年4月に理念や制度の枠組みについて提言。これを受けて国交省が事業化を推進する。
風景街道にルートを登録するには、地域住民や市町村、NPO、道路管理者などが地域単位で「日本風景街道パートナーシップ」を組織し、地方ブロックごとに設置される企業や経済団体、都道府県、地方整備局などで構成する「風景街道協議会」に申請する。
協議会は、ルートを登録したパートナーシップの景観づくり活動を支援する。活動内容やルート整備が充実した段階で、「一つ星」「二つ星」といったイメージの第三者機関による評価付けを実施。ブランドロゴなどを作成して、観光客誘致などに活用してもらう。
風景街道の制度化を検討するために、モデル事業として昨年認定した全国72ルートについては再登録を求める。北海道ブロックは、05年度から「シーニックバイウェイ北海道」として活動しており、現在登録されている6ルートを日本風景街道に登録する考え。
ルート登録の申請は、風景街道協議会の事務局が置かれている各地方整備局が随時受け付ける。 |