帝国データバンクの企業を対象にした8月の景気動向調査によると、同月の景気動向指数(景気DI=0〜100、50が判断の分かれ目)は42.5で、前月比0.2ポイント減少した。5カ月連続の悪化になるとともに、4カ月連続で今年の最低水準を更新した。 調査は全国企業2万539社に実施した。有効回答企業は1万120社で、回答率49.3%。 業種別では、「不動産業」が前月の52.9から1.9ポイント悪化の51.0。10業種中、最大の悪化幅となった。米国サブプライムローン(信用力の低い個人向け住宅融資)問題による信用収縮の影響に加え、今年6月20日の改正建築基準法施行の影響があった。 「金融」は前月の41.9から1.4ポイント悪化の40.5。不動産業同様、サブプライムローン問題が響いた。 「建設」「製造」はそれぞれ36.3、44.2で、前月からともに0.3ポイント悪化した。建設は脱談合による業界環境の悪化と改正建築基準法施行による着工の遅れと減少、製造は円高の急速な進行による機械関連業界の景況感の後退が影響した。 「小売」は38.3で、前月比0.4ポイント増加。5カ月ぶりに数値が改善した。個人消費は依然厳しいが、多雨・日照不足や台風、梅雨明けの遅れが影響した前月から一転して、好天に恵まれたことが消費を誘発した。 「運輸・倉庫」は44.3で、同0.5ポイント増。2カ月ぶりに上昇した。原油価格の上昇が一服したことなどで、ガソリンの店頭価格が5カ月ぶりに下落、運輸業界の景況感が改善した。 企業の規模別では、大企業が45.8で前月比0.1ポイント減。中小企業が41.5で同0.2ポイント減。ともに前月から悪化した。規模間格差は4.3ポイントとなり、前月から0.1ポイント拡大した。 地域別では、10地域中、北海道(33.0)、四国(38.3)の2地域が前月比で改善したが、いずれも0.1ポイントの小幅な改善にとどまった。東北(35.0)と中国(40.8)は横ばい。大都市圏を中心とした6地域は悪化した。特に東海(45.2)は、新潟県中越沖地震による一時的な生産停止に伴う自動車関連業種の景況感悪化などで、前月比0.9ポイント減と、悪化幅は全国で最大だった。
経済産業省がこのほど公表した今年7月の特定サービス産業動態統計調査によると、対個人サービス業(趣味・娯楽関連)の売り上げは、ゴルフ練習場、劇場・興行場・興行団の2業種が前年同月比増加。その他5業種が減少した。特に遊園地・テーマパークが17カ月ぶりに減少した。 遊園地・テーマパークは前年同月比1.5%減、308億4200万円。内訳をみると、食堂・売店売上高が同6.9%減、入場料金・施設利用料金収入が同4.0%増。入場者数は一般が同9.9%減、団体が同17.0%減で、合計で同10.5%減少した。入場者ひとり当たり売上高は同10.1%増。 最も伸びたゴルフ練習場は前年同期比1.8%増、33億800万円。土・日・祝日の利用者数が同7.2%減少したが、合計では同2.6%増加した。ただ、利用者ひとり当たり売上高は同0.7%減少した。 劇場・興行場・興行団は前年同月比1.6%増の207億1400万円。