帝国データバンクによると、今年8月の全国企業倒産は985件、負債総額は8351億2200万円だった。倒産件数は11カ月連続で前年同月比増加。負債総額は大型倒産の発生で前年同月、前月を大幅に上回った。負債1億円未満や個人経営など小規模倒産の増加が顕著で、全体の倒産件数を押し上げている。
件数は前月比70件、前年同月比211件のそれぞれ増加。負債総額は前月比5288億2500万円(172.7%)、前年同月比4741億9200万円(131.4%)の大幅増となった。
負債総額は、帝国データバンクが法的整理のみに集計対象を変更した05年4月以降で最高の増加数となった。これは、旧・住専の大口融資先で、賃貸ビル経営の企業(東京都、負債5648億円)が、今年最大の負債を抱え、会社更生手続き開始決定を受けたため。
倒産を負債額別にみると、負債5千万円未満の倒産は427件で、前月比52件(13.9%)増。前年同月比では111件(35.1%)の大幅増となった。負債1億円未満の中小・零細企業の倒産は585件で、前年同月比30.0%増。全体の倒産件数を押し上げる大きな要因となっている。
一方、負債10億円以上50億円未満の倒産は48件(前月比1件増、前年同月比3件減)、同100億円以上の倒産は4件(前月比1件増、前年同月比1件減)にとどまっている。
倒産の主因別では、販売不振、売掛金回収難などの「不況型倒産」が769件で、前月比65件(9.2%)増加。前年同月比も185件(31.7%)の大幅増となった。倒産全体に占める不況型倒産の構成比は78.1%で、今年最高となった。
地域別では、9地域中、関東を除く8地域で前年同月比増加した。 |