高速バス予約サイトを運営する楽天バスサービス(東京都品川区、岡武公士社長)は9日、「高速ツアーバス安全協働体制・ガイドライン」を策定、発表した。安全指針を策定するのは「高速バスツアー業界では始めて」(同社)。28社が指針に基づきバスの運行やツアーの実施をする。安全で高品質のツアー商品の供給意識を高めるとともに、双方の取り組みを分かりやすい形で示すことで、高速ツアーバス商品に対する利用者の信頼感醸成を図る。 発表したガイドラインは(1)法令に基づく連続運転時間や拘束時間の設定など、適正な運行管理への協働(2)事故やバスの故障などの緊急時における連絡体制の整備(3)運行会社の事業区域の把握と順守(4)着地における休憩仮眠施設の確保(5)旅行会社によるバス運行会社の運行管理状況の把握──などを明文化。また楽天バスサービスのサイト上に掲載し、利用者に対してもバス運行会社と旅行実施会社の取り組みが分かるようにした。特に(1)については、旅行会社からの運行依頼内容が適正でない場合、バス運行会社が計画の変更を求めることができ、旅行会社も要望には必ず応じるよう明記している。 同社ではこのほか4月からバス会社、旅行会社など8社からなる「高速ツアーバス安全向上協議会」を設置。運行バス会社の故障、事故情報を共有化し、運行バス会社の選定などの参考にすることで安全性の向上を図っている。 2月に発生したツアーバスの事故以来、高速ツアーバス業界内外で高速ツアーバス商品の安全性の確保や品質向上を求める動きが高まっていた。
KNTは10月7、8日の両日、神奈川県横浜市で開かれた地球温暖化防止イベント「モーニング娘。“熱っちい地球を冷ますんだっ。”文化祭2007in横浜」で、天ぷら油で走る「エコバス」を使った環境学習バスツアーを催行した。2日間合わせて約110人の親子が参加。参加者はアイドルの「ハロプロエッグ」とともにCO2の削減について学んだ。 エコバスツアーには、富士急行(山梨県富士吉田市、堀内光一郎社長)が所有する、天ぷらの廃油で走行できるバス=写真=を利用し、「環境意識の啓発に努めた」とKNT。 7日に催行したツアーには午前、午後合わせて約40人の親子連れが参加。横浜シティガイド協会の椎橋四郎会長がバスに乗り込み、横浜の歴史や建造物の紹介と合わせて、横浜市の行う道路舗装「すず風舗装」や太陽光発電などのエコプロジェクトについて説明を行った。 ツアーではこのほか東京電力の横浜火力発電所や一般には未公開の横浜市風力発電所「ハマウイング」などを訪問。ハマウイングでは、風力発電塔の真下まで行き、そのパワーを体感した。参加者は職員からの説明に真剣に耳を傾け、CO2を出しにくいエネルギーづくりの仕組みを学んだ。
JR四国は、遊べる空間を備えた列車として好評の「ゆうゆうアンパンマンカー」のデビュー5周年を記念し、外装デザイン、座席シートデザインを一新。リニューアルした同列車の出発式を5日、JR徳島駅で行った=写真。 「ゆうゆうアンパンマンカー」は、02年10月に186系特急形気動車をベースに、車両の半分を座席ルーム、残りをキャラクター遊具を配したプレイルームに改造。季節の臨時列車として「特急うずしお」や「特急剣山」に連結。今年の8月末まで、延べ648日運転、累計41437席を販売した。平日には、貸切、団体などの臨時列車として使用できる。 今回は、車両の外装を昨年デビューした「アンパンマントロッコ」と同色にし、連結の際に統一感が出るようにした。 出発式では、木下典幸JR四国常務取締役鉄道事業本部長、山口義昭徳島市経済部副部長らがあいさつ。「徳島文理大学付属幼稚園」の園児による合唱が披露され、乗務員への花束贈呈、テープカットなどが行われた。
旅フェア実行委員会(会長・中村徹日本観光協会会長)は来年の旅フェアを6月19日から4日間、横浜市のパシフィコ横浜で開くことを決めた。6月開催は初めて。 19日を開会式・ビジネスデーに当て、一般公開は20日から。入場料は今年同様有料とするが、何度でも入場可能なフリーチケット制を導入。3日間フリー入場の場合、一般前売りチケットは700円を予定している。 今年、幕張メッセで開かれた旅フェアには約15万9千人が来場した。
スカイバス京都実行委員会(京阪バス、日の丸リムジン、JTB西日本で構成)は4日、3社が共同で京都市内を運行するオープントップバス「スカイバス」の出発式を行った。 出発式は、10時発「京のまちなみコース」の第1便に合わせて開催。記念すべき1番目の乗客となった、大阪市から参加の阿部直美さんやドライバーらに、京都学生ガイド協会のガイドらが務めるアテンダントから花束贈呈が行われた。 同実行委員長の川口一成・JTB西日本取締役京都支店長は「スカイバスは通常のバスからの景色と違うのはもちろん、道行く人たちが手を振ってくれたり、コミュニケーションが取れるのが楽しい。これから紅葉の季節やクリスマスのイルミネーションなど、京都スカイバスを楽しんでいただきたい」とあいさつした。
クラブツーリズム(CT)は、南極点を訪れるツアーを来年2月10日に発売する。予定販売価格は900万円。日本の旅行会社が募集型企画旅行で南極点行きツアーを行うのは初めて。 CTの海外SIT旅行センター(須藤文彦支店長)が募集する。08年12月下旬に日本を出発する17日間のツアーで、募集人数は9人。添乗員1人が同行する。米国が管理する南極点の「アムンゼン・スコット基地」を訪れ、4時間滞在する。 想定参加者は「世界中を旅行し尽くした、冒険心豊かな富裕層」(須藤支店長)。参加にあたっては、健康診断書の提出を求められるが年齢制限はない。保険は通常の海外旅行傷害保険が使える。 現地手配は冒険ツアー会社の米ALE社(Antarctic Logistics Expeditions社)が行う。同社は世界で唯一、南極点行きのツアーを実施している。 デルタ航空のビジネスクラスで成田空港を出発。アトランタ経由でチリの首都サンチャゴに入る。1泊して国内線で世界最南端の都市、プンタアレナスヘ。3泊程度滞在し、天候を見て、60人乗りジェット機(イリューシン機材)で南極大陸にあるALE社所有のベースキャンプ「パトリオットヒルズ」に向かう。飛行時間は4時間30分。さらにパトリオットヒルズに滞在しながら気象条件が整うのを待って、10人乗りプロペラ機で南極点のアムンゼン・スコット基地へ。6時間30分の飛行で到着。同基地には4時間滞在して引き返す。 南極大陸は、旅行先としての人気が近年急速に高まっている。ALE社の日本総代理店、トライウエルインターナショナルの田島和江社長によると、南極に上陸した旅行者の数は1993年には6704人だったが、2006年は2万8828人になった。2005年の場合、全上陸人数の2.4%にあたる617人が日本人だったという。ただ、そのほとんどはクルーズなどで南極大陸を訪れたもので、ツアーで南極点を訪れた日本人は「過去に10人程度ではないか」(田島社長)という。