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旅館・ホテル ■第2441号《2007年10月20日(土)発行》
佐藤国観連会長、立教大で講義
講義する佐藤会長
国際観光旅館連盟の佐藤義正会長は6日、立教大学観光研究所のホスピタリティ・マネジメント講座の講師を務めた。社会人や大学生を前に、旅館経営をテーマに講義。倒産や民事再生に至る事例が相次ぐなど、旅館の景況が厳しい中で、「日本の伝統文化を継承し、地方の特色を色濃く反映した、品質的にも顧客満足度の高い旅館は絶対に残さなければならない」と強調、経営環境や客室流通の改善に向けた課題などを解説した。外国人観光客の誘致での旅館の重要性も指摘、「RYOKANを世界語にしたい」と夢を語った。
佐藤会長は、国内宿泊旅行需要の低迷、団体旅行から個人旅行へのニーズの変化、価格競争の激化などを要因に、多くの旅館で経営が悪化した経緯を説明。価格競争については、「安売りによる需要の掘り起こしはすでに限界に来ている。それは商品そのものが客に見放される限界であり、供給する側が利益を得られないために疲弊する限界でもある。もうその限界ぎりぎりまで来ている」と指摘した。
経営破たんした旅館を安く買い取った新規参入者が、短期間の利益を目的に価格競争を仕掛け、地域全体の衰退を招くといった事例も問題視。「残すべきところは残さねばならないが、破たん、再生を繰り返せば、いつまでも需要と供給のバランスはとれない。座して待てば、し烈な価格競争を助長し、旅館の文化や地方の特色が極めて希薄な宿泊施設ばかりになってしまう」と危ぐした。
客室流通の課題についても解説。団体旅行の全盛期に送客を旅行会社に依存しきった結果、「旅館は消費者に対するマーケティングを怠り、営業力を失った。流通におけるサプライヤーとしての発言力を弱めてしまった」と反省点を挙げた。
景況の悪化に伴い、旅行会社に支払う手数料の負担感が重くなり、旅行会社に提供した客室の販売が伸び悩む中で、流通の改善を重要課題として、「本来、旅館と旅行会社はイコールパートナー。発言力を高め、客室流通を改善しない限り、旅館業、国内旅行に元気を取り戻すことはできない」と訴えた。打開策の1つとして、複数の旅館が共同で客室を管理し、消費者や旅行会社に販売する新たなシステムの必要性などを挙げた。
また、訪日外国人観光客の受け皿として、伝統文化とおもてなしの心を提供する日本旅館の重要性を強調した。「RYOKANを『寿司』や『交番』、『改善』のように世界語にしたい」と語り、海外富裕層市場の開拓などにも意欲を示した。
ホスピタリティ・マネジメント講座は毎年度、約3カ月間で計34回の講義を行う。今年度の受講生は72人、うち社会人が半数以上を占める。大学教授のほか、観光業界の経営者などが講師を務める。佐藤会長が講師を務めたのは、昨年度に続き2回目。
群馬・水上温泉旅館協同組合がPR用DVDを制作
みなかみの温泉魅力をアピールするため、群馬県の水上温泉旅館協同組合の須藤温理事長(金盛館せゝらぎ)らが10日、東京の観光経済新聞社を表敬訪問した=写真。
訪れたのは須藤理事長のほか、副理事長の小野与志雄(宝川汪泉閣)、西山国弘(天野屋旅館)、鈴木俊夫(風花の宿宝ホテル)の3氏。
同旅組は先ごろ「水上温泉郷」と題するPR用DVDを約100枚制作した。初の試みで、「旅行会社やマスコミなどに配り、温泉郷の素晴らしさを伝えたい」と須藤理事長は意気込む。
みなかみ町は05年10月に水上町、月夜野町、新治村が合併し誕生。その結果、水上、谷川、うのせ、湯桧曽、向山、宝川、湯の小屋の各温泉を束ね「みなかみ温泉郷」としてアピールしている。
同旅組では05年に立ち上げたインターネット宿泊予約の内容充実、組合員の増加などに取り組んでおり、対外PRもこれまで以上に力を入れたいとしている。
シーガイアと指宿白水館が共同で宿泊プラン発売
フェニックス・シーガイア・リゾート(宮崎市)は指宿白水館(鹿児島県指宿市)と組み、シェラトン・グランデ・オーシャンリゾートと白水館に泊まる企画商品を発売した。
この商品は「宮崎・指宿フルムーン3泊4日フリープラン」。両施設での宿泊は最上級の部屋を用意し、食事も地元の食材を使い提供する。
設定期間は来年3月末まで(除外日あり)。1〜2泊目はオーシャンリゾート、3日目が白水館となる。料金は大人1人11万3550円からで、2人利用の限定プランとした。宮崎〜指宿間の交通費は自己負担となる。
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