JR西日本とJR九州は17日、それぞれの本社で記者会見し、11年春に九州新幹線と山陽新幹線との相互直通運転を開始することを正式発表した。新大阪〜鹿児島中央間は、所要時間が従来の5時間から約4時間に短縮される。沿線地域では交流圏拡大への期待が高まっている。 相互直通運転の実施区間は新大阪(山陽新幹線)〜鹿児島中央(九州新幹線)。開始時期は九州新幹線の博多〜新八代間での営業運転開始時。直通運転により、新大阪〜熊本間は約3時間20分、新大阪〜鹿児島中央間が約4時間で結ばれる。列車の運行本数は、最低1時間に1本程度の予定。 車両はN700系をベースに8両編成を計画している。仕様は検討中で、今年度内にも量産先行車の製作に着手する予定だ。投資金額はJR西日本で1千億円程度、JR九州は400億円程度を見込む。 福岡の会見には山崎正夫JR西日本社長=写真左、石原進JR九州社長=写真右=が、大阪では丸尾和明JR西日本副社長、本多修一JR九州専務が出席。 山崎社長は「九州新幹線の急勾配に対応し、山陽新幹線での時速300キロでも営業運転可能な車両の開発など、多くの課題の検討を進めてきたが合意に達した」とあいさつ。 石原社長は「熊本、鹿児島から新大阪までの到達時間が早くなることから、近畿、中国、九州地域の交流がさらに拡大して、経済面、観光面でも大きなインパクトになることを当社だけでなく地元も期待している」と語った。また石原社長は、博多駅での九州新幹線と「のぞみ」の同一ホームでの接続について、「可能な限り実施していく」と意欲を見せた。 会見を受けて、佐賀、熊本、鹿児島の各知事は次のようなコメントを発表した。 古川康佐賀県知事 「直通運転が決まり、佐賀県と長崎県への玄関口となる新鳥栖駅と新大阪駅が3時間で結ばれることになる。新鳥栖駅は九州の南北と東西が交わる交通の要所で人気の観光スポットへの分岐点。乗り継ぎをスムーズにできるようにするなど整備を進めている」。 潮谷義子熊本県知事「九州新幹線の新大阪乗り入れが正式に合意され大変うれしく思っている。今後はこれ機に『新幹線くまもと創り』に全力を挙げて取り組む。『KANSAI戦略』にも弾みがつく」。 伊藤祐一郎鹿児島県知事 「県として今後ともJR九州等に対し、利便性の高い運転計画の策定を働きかけるとともに、直通運転の実現による交流圏の拡大を本県の観光振興、地域振興の起爆剤とするため、各分野における取り組みを充実させたい」。
JTB西日本は、日本飛行船と旅客総代理店契約を結び、本格的には日本初という飛行船による遊覧クルーズを10月25日に発売した。6月7日に日本飛行船が国土交通省から航空運送事業許可を取得したことを受けて、準備を進めてきた。 第1回として、首都圏での遊覧クルーズを11月23日〜来年1月5日に1日4便を設定。埼玉県比企郡の日本飛行船桶川運航基地を発着場として、上野、浅草、汐留、六本木、新宿など東京都内のメーンスポットを周る。初日の出や初詣のフライトもある。 第2回は、来年3月下旬〜5月上旬に関西での就航を予定する。「日本各地でベストシーズンに飛ばしたい」と鈴木孝三・JTB西日本社長。 関東、関西での54日間のクルーズで1千人の販売を目標とする。 使用する飛行船「ツェッペリンNT」はドイツ製。浮揚ガスには不燃性のヘリウムを使用し、爆発の危険がないという。上空300〜600メートルを飛行する。
KNTは23日、国際航空券と海外ホテルを、インターネット上で自由に組み合わせて予約、購入できる海外旅行ダイナミックパッケージの販売を同社サイト「旅せるふ」(http://tabiself.com/)で始めた。対象エリアは世界約90カ国。08年度の取り扱い目標は20億円、1万6千人。 旅せるふは7月3日から成田発の海外航空券の予約、販売を始めていたが、23日から海外ホテル予約機能が加わった。同社と提携したオクトパストラベル・ジャパン(大阪府大阪市、安西信弘社長)が供給する1万5千軒の海外ホテルが予約できる。 併せて成田、大阪、名古屋発のPEX、ITなどの各種運賃の海外航空券の予約、販売も始めた。 12月中旬には2〜3都市をまわる航空券の周遊予約や、レンタカー予約なども始める予定。来年にはサイト上で日程を組み替え、再見積もりをできる機能や、航空券の周遊予約と合わせた複数都市でのホテル予約ができるようにする。 国内旅行を対象としたダイナミックパッケージの販売については「現在のところ検討していない」(同社総務・広報部)。