環境省が可燃性天然ガスを含む温泉の安全確保に向けた「暫定対策」の実施状況を調べたところ、源泉が屋内などにあって可燃性ガスが検出された温泉は492源泉(施設)に上ったが、換気扇やガス検知器の設置といった対策を完了したのは9月末で157施設にとどまっていることが分かった。300を超える施設が対策をとっておらず、暫定対策の遅れが浮き彫りになった。 同省は換気設備や検知器などを義務化する温泉法改正案の今国会での成立を目指しているが、成立までの措置として暫定対策を打ち出し、都道府県へ通知。 通知は、ガスがたまりやすい屋内や地下室に採取設備がある既存施設では換気扇やガス検知器の設置を要請するとともに、新規施設では採取設備の屋外への配置を指導するよう求めていた。 既存施設の利用源泉は9月末現在で1万9462施設あるが、調査対象は温泉に可燃性ガスが含まれると考えられる5394施設。このうち、源泉が一部でも屋内や地下室にあるのは1858施設あり、うち492施設から可燃性ガスが検出された。 492施設のうち、157施設が対策を完了していたが、333施設がまだ対策がとられておらず、残る2施設は採取を停止することが明らかになった。 温泉に一定量以上のガスが含まれると考えられる地域で、これから建設される68施設のうち、14施設については当初、採取設備を屋内や地下室に予定していたが、「屋外に設置するよう要請、すべて応じた」(自然環境整備担当参事官室)という。