大阪市はこのほど、06年度の観光動向調査の結果を発表した。観光客数は前年度比3.1%増の1億405万人。このうち宿泊を伴う観光客数は12.6%増の1174万人、外国人観光客数は10.9%増の153万人になり、いずれも10%を超える伸びを示した。観光客の観光消費額は、約1兆3654億円(前年度比3.3%増)と推計、大阪市内の百貨店10店舗の販売額合計の約1.6倍に相当すると指摘した。 宿泊を伴う観光客の増加要因には、国内客や修学旅行の誘致を促進するニューマーケット開拓事業、滞在型の旅行商品造成を支援する事業など市が実施した各種事業の効果などのほか、ホテル施設数、客室数が増加したことなどを挙げた。 宿泊客の出発地の構成比は、国内が関東29.5%、関西(大阪市内除く)16.7%、中部13.6%。海外は、アジア(日本以外)が61.4%を占め、ヨーロッパ19.7%、北米11.2%だった。 宿泊客の訪問先は、国内客は飲食街やショッピングが人気で、外国人客はこれに旧跡、神社、仏閣が加わる。観光客の増加により、大阪城天守閣、天王寺動物園、通天閣などの主要観光施設でも20〜30%の集客増となった。 外国人観光客の増加は、中国や韓国での観光査証(ビザ)の取得緩和、航空路線の増便の影響がプラスに働いた。3都市が協力して観光客を誘致する「釜山・上海・大阪ゴールデン・トライアングル」事業、海外マスコミと連携してPRした「東アジア集中キャンペーン」の効果も指摘している。 関西国際空港での入国者数を前年度と比べると、韓国が13.8%、中国が18.8%、香港が29.1%、北米が5.4%といずれも増加し、全体では9.9%伸びた。 観光客1人当たりの観光消費額は、日帰り客が9837円、国内の宿泊客が3万4689円、海外の宿泊客が8万4986円と推計した。観光消費額から算出した生産誘発効果は、2兆2075億円(前年度比8.1%増)となった。