国際観光振興機構(JNTO)は12日、06年の国際コンベンション(国際会議)統計を発表した。国内で開催された国際会議は、前年比146件(5.1%)増の3005件、過去10年間で38.9%の増加を示した。開催都市別では、最多が東京(23区)の744件、2位が京都市の278件。3位の福岡市は、アジア地域からの参加者を含む会議が増えたほか、学術会議や学術セミナーなどが市内の大学で多数開催され、94件増の274件と大幅に伸びた。 JNTOの国際会議の集計基準は、(1)参加者総数が20人以上で、参加国が日本を含む2カ国以上の国際会議(2)参加者総数が20人以上で、外国人参加者が10人以上の国内会議(3)上記2件のいずれかを満たすセミナー、シンポジウムなど──。 都市別開催件数の4位以下は、4位大阪市(237件)、5位名古屋市(194件)、6位神戸市(183件)、7位横浜市(162件)、8位千里地区=豊中、吹田、茨木、高槻、箕面の5市=(146件)=札幌市(127件)=つくば地区=つくば、土浦の2市=(94件)となった。 昨年から大幅に増えたのが福岡市。福岡観光コンベンションビューローによると、274件のうち、アジア地域からの参加者がある会議が79件(前年31件)。九州大学をはじめ市内の大学で開催された学術会議や学術セミナーなどが117件(同50件)に上った。 ビューローの山方浩コンベンション部長は「アジアからのアクセスが良い立地を生かすことができた。円安なども影響したと思うが、アジア主要都市からの直行便、市内の交通機関、宿泊施設などの充実ぶりが評価されてきた」と指摘。「誘致による経済効果を重視し、福岡市、会議施設、当団体が連携して共同誘致に努めている」と語った。 福岡市は、開催決定までの誘致活動に対する補助金制度を設置している。年間予算は1500万円ほどだが、毎年6〜8件の利用実績がある。ビューローでは、コンベンション専門の営業担当者を配置し、誘致活動を強化している。 他の上位都市の前年との増減は、東京が2件増、京都市が54件増、大阪市が12件減、名古屋市が42件の減だった。大阪市は減少したものの、千里地区が増加しており、大阪府全体としては増加傾向。名古屋市は、愛知万博の反動があり、04年並みの水準に戻った。 国内全体の動向では、国際会議の参加者総数は6.0%減の110万5066人。このうち外国人は10.8%増の11万5254人に伸び、06年の訪日外客数全体の1.6%を占めた。平均開催日数はほぼ前年並みの2.16日だった。 参加者規模別では、100人未満が全体の40.3%、100〜199人が22.0%、200〜299人が12.1%。参加者数300人以上、外国人50人以上の条件を満たす中・大型国際会議は316件で32件増えた。 内容別にみると、科学・技術・自然部門が全体の40.1%。以下、芸術・文化・教育部門17.1%、政治・経済・法律部門16.0%、医学部門13.7%などとなった。
国土交通省東北運輸局や自治体、旅行関連団体などがつくる、「YOKOSO!JAPAN東北」実行委員会は10日、宮城県仙台市で「YOKOSO!JAPAN東北インバウンドセミナー」を開いた。観光関係者のほか一般参加者ら約400人が出席。海外の旅行業者によるシンポジウムでは、東北が海外各国で旅行先として定着するための具体的なアドバイスが示され、来場者は貴重な意見に真剣に耳を傾けていた。 同セミナーは5日から行った、海外の旅行会社やマスコミ関係者対象の東北視察ツアーの締めくくりとして開催したもの。ツアーにはアジアや欧米の10の国や地域から57人が参加した。 セミナーで初めにあいさつした丸森仲吾同実行委員長は「今年3月には仙台駅と仙台空港を17分で結ぶ、仙台空港アクセス鉄道も開通し、海外と東北の距離はさらに縮まった」と話し、訪日外客1千万人計画へ向けた東北地域のさらなる結束を求めた。続いて登壇した国交省の本保芳明総合観光政策審議官はインバウンド市場の盛り上がりを説明した上で、地元の受け入れ態勢づくりや「金太郎飴」でない、地域に根ざした観光魅力づくり、観光のための地道な人づくりの重要性を説いた。このほか、開催地を代表し、村井嘉浩・宮城県知事が歓迎のあいさつを述べた。 続くシンポジウムでは、視察ツアーに参加した海外の旅行エージェント8人が登壇。谷口せい子・国際観光推進機構(JNTO)ツーリスト・インフォメーション・センター長をコーディネーターに、東北の魅力や旅行商品化のための課題などについて意見が交わされた。 東北に残された豊かな自然や伝統文化、温泉、人のあたたかさなどが観光魅力としてあげられた一方、スキー旅行での安全面のサポート体制や宿泊施設でのインターネット利用環境の整備、東北の歴史文化に精通した観光ガイドの養成と配置などが要望としてあがった。 商品造成に関しては、夏祭りや紅葉などの季節の宿泊費アップや部屋、貸切バスの不足などが誘客上の問題点として挙げられ、訪日客へ東北の魅力を通年的にアピールする上で改善すべき課題であることが示された。 同実行委員会の畠山廣事務局長は、「今回得られた意見を、各言語版のモデルルートマップ作成や今後の視察ツアーのルート検討などに生かしていく」と話す。 同日には、インバウンドセミナーに先立ち交流商談会も開催。約100人が参加し、招請された海外からの参加者と東北の観光関係者が積極的に商談を展開した。
ジャパニーズ・イン・グループ(JIG、飛田克夫会長=旅館浅草指月)はこのほど、グループ旅館を紹介する外客向けパンフレットの改訂版を発行した。 会員80軒について、施設、料金、サービス内容を英文で紹介。室内外の写真と周辺地図も付け、携帯して便利な内容に。 巻末では和室での過ごし方や共同浴場の入り方など日本旅館独特の仕組みを英語、中国語、ハングルの3言語でイラスト入りで説明している。 同グループは、外国人旅行者向けの比較的低廉な宿の団体。問い合わせは事務局の旅館浅草指月(TEL03・3843・2345)。