高級宿泊予約サイト「一休.com」運営の一休が9日に発表した07年度中間決算(4〜9月)は、経常利益が前年同期比9.2%増の7億6400万円だった。超高級旅館・ホテルの予約が好調で客単価が上がったほか、7%から8%への手数料改定で平均手数料率が上がったことなどが寄与した。 営業収益は12億3400万円(前年同期比11.1%増)で、営業利益7億5300万円(同7.9%増)、経常利益7億6400万円(同9.2%増)、中間純利益4億4700万円となった。経常利益率は61.7%に達している。 一休は、オークションサイト、レストラン予約サイトなど全部で5種類のサイトを運営しているが、サイト運営手数料収入のうち98.4%は一休.comが稼ぎ出している。07年中間期の一休.comの手数料収入は前年同期比9.9%増の11億4200万円。取扱高は同7.4%増の158億6500万円と好調だ。平均単価も同2304円増の2万5912円と伸びた。 一休.comの手数料は現在8%だが、サイトを開設した00年から02年春ごろまでに契約した約200軒の施設の手数料は7%だった。これを9月以降すべて8%に統一。全体の2割の施設の手数料が1%上がったことで手数料収入が増えた。 ただ、取扱室数は61万2千室と前年同期比2.1%減少した。3四半期連続して対前年比で減少している。取扱室数の減少傾向について一休は、「03年度以降、既存施設のリニューアルや新規施設の開業などで単価が上昇している。料金が安いからという理由で使っていただいていた従来のお客さまの利用頻度が下がっている」と分析している。 対策については、11月下旬に「Yahoo!トラベル」内で一休.com掲載の宿泊商品を検索、予約可能にする予定で、これにより「取引量を拡大したい」としている。また07年度中にクレジットカード決済機能も導入し、サイトの利便性向上をはかる。 参加施設数は旅館が07年第1四半期から10軒増の420軒、ホテルが同1軒増の589軒で合計1009軒となった。初めて1千軒を超えた。件数は「旅館を中心に増加している」。高級ホテル予約サイトから出発した一休.comで高級旅館の比重が徐々に高まってきている。
オリックス不動産(本社東京都)が再生を支援している鳴子ホテル(宮城県鳴子温泉)はこのほどリニューアルオープンした。先行オープンした露天足湯付き客室、オープンキッチン付きバイキングレストラン、新浴場「木華子(こけし)の湯」に続き、大浴場「芭蕉の湯」「玉の湯」とメーンロビーをリニューアルした。 大浴場は自慢の温泉が一層引き立つようにと内装を一新。芭蕉の湯には信楽の窯元に特別に制作を依頼したという「かけ湯壺」を設置した。 メーンロビーはサービスのコンセプト「のんびりゆったり、人のこころのあたたかさ」を体現するよう、すっきり落ち着いた雰囲気に改装。ロビーから化粧室への導線にバリアフリーエレベーターを新設した。 先行オープンの露天足湯付き客室は紅葉館7階の7室。足湯のまわりはヒバの白木、広縁の床は竹フローリングという自然素材を採用した。 バイキングレストランは客席面積を広げ、常時190席の配置が可能となった。オープンキッチンを設け、料理人のパフォーマンスを間近で見られる。 同館3つ目の浴場、木華子の湯は黒御影石を基調とした落ち着きのある雰囲気。正面の壁面に光障子を設け、影絵を楽しめるようにした。浴槽は普通湯とぬる湯の2つがあり、種類の違う湯を楽しめる。