帝国データバンクによると、今年10月の全国企業倒産(負債額1千万円以上、法的整理による倒産)は1083件、負債総額は4416億6900万円だった。倒産件数は13カ月連続で前年同月比増加したほか、今年5月を上回り、同社が倒産の集計対象を法的整理のみに変更した05年4月以降で最多となった。負債1億円未満や個人経営など小規模倒産の増加が顕著で、全体の倒産件数を押し上げている。 負債総額は前月比で5.2%、前年同月比で22.0%のそれぞれ減少。3カ月ぶりに前年同月比で減少した。 倒産件数を業種別にみると、すべての業種で前年同月比増加した。建設業(309件)、小売業(218件)、運輸.通信業(41件)、不動産業(40件)の4業種は05年4月以降で最多となった。特に建設業は「脱談合」や改正建築基準法による混乱が影響して05年4月以降で初めて300件を突破した。 倒産の主因別では、販売不振、売掛金回収難、業界不振などの「不況型倒産」が826件で、前年同月比24.8%増。05年4月以降、最多となった。特に販売不振が768件で前年同月比25.3%の大幅増となっている。 倒産の負債額別では、負債5千万円未満は449件で、前年同月比8.2%増。負債1億円未満の中小.零細企業の倒産は675件で、同23.0%増。全体の倒産件数を押し上げる大きな要因となった。半面、負債10億円以上の倒産は67件で、倒産全体に占める構成比は6.2%にとどまった。 地域別では、北海道と四国を除く7地域で前年同月比増加となった。このうち近畿、中部、東北、中国、北陸の5地域で05年4月以降、最多となった。特に近畿(317件)が前年同月の266件を上回り、高水準で推移している。北海道は唯一、前年同月を下回った(12.5%減)。 倒産の態様別では、破産が985件で前年同月比21.5%増。倒産全体に占める構成比は91.0%で、2カ月ぶりに90%を上回った。このほか特別清算は28件で、前年同月比12.0%増、民事再生法は69件で、同32.7%増。