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インバウンド ■第2450号《2008年1月1日(火)発行》
三井住友カードが銀聯カード発行、国内初
中国銀聯の許羅徳総裁(左)と月原社長
三井住友カード(東京都港区、月原絋一社長)は12月18日、中国国内で最も普及しているカードブランド「銀聯」を日本で始めて利用したクレジットカード「三井住友銀聯カード」の発行を始めた。訪中客や中国長期滞在者の利便性向上とカード会員の拡大を図る。
同日東京都内で開いた記者会見で月原社長は、日本での銀聯カードによる決済額が前年比5〜6倍のペースで増加していることを紹介したうえで、「日本から中国への渡航者も拡大傾向。圧倒的な加盟店舗数を持つ銀聯カードを利用すれば、『安全・便利』に中国旅行を楽しめる」と述べ、カード会員の拡大に意欲を見せた。
同社は05年12月に中国銀聯と提携、日本国内で銀聯カードを利用できる加盟店の拡大をすすめてきた。現在日本国内8400店舗で利用できる。
今回の三井住友銀聯カードの発行は、「提携事業の第2弾」(月原社長)。中国国内で銀聯カードを利用できる店舗は、67万店舗。このほか世界26カ国、8万9千店で利用できる。
今年開催の北京五輪、や10年に開く上海万博をにらみ、旅行業も同カードの発行に注目する。会見に同席したKNTの太田孝社長は「今後2国間の交流は爆発的に増加するはず。三井住友銀聯カードの発行は、両国間の交流を促進するもの」と期待感を示した。
訪日外客の関心は「日本料理」
都内で開かれたイベントでTシャツを手に取る訪日外国人
国際観光振興機構(JNTO)の外国人向け総合観光案内所「ツーリスト・インフォメーション・センター」(TIC)は、07年7月から9月にかけてTIC利用外国人旅行者726人を対象に「訪日回数」「日本滞在中に希望する活動」など8項目について調べたアンケートの結果をまとめた。最も関心のある体験が「日本料理を食べる」で、7割超が関心を持つことが分かった。07年11月22日に発売された「ミシュランガイド東京2008」では日本料理店が5軒三ツ星レストランに選ばれるなど日本料理への注目が高まっている。今後「本場で日本料理を食べる」ことを目的とする外国人観光客の増加が見込まれそうだ。
TICは最も関心のある体験として「伝統的建築様式」「温泉」「旅館滞在」などの選択肢から5個まで選んでもらった結果、「日本料理を食べる」が71.2%と大多数を占めた。次いで「伝統的建築様式」の49.2%、「伝統的日本庭園」の46.3%、「温泉」の35.5%、「旅館滞在」の28.7%が多かった。主要居住国別にみると、「日本料理を食べる」がに最も高い関心を示した国はフランス、スペイン、英国、オーストラリア、米国、イタリア、ドイツ、スイスだった。国や性別、年齢別で見ても日本料理の食事が訪日の大きな動機になっていることが分かった。居住国別傾向では、スペインの「現代建築」、英国の「相撲・武道」、韓国の「祭」への関心は他の居住国と比べて高かった。性別傾向では、男性が「アニメ・漫画」、「ハイキング・登山」について関心を持っている半面、女性は「伝統工芸」の関心が高い実態が明らかになった。
「日本滞在中に希望する活動」については居住国・地域、性別、年齢層を問わず「日本文化体験」の93.4%が首位、「日本の生活様式体験」が76.3%、「日本人との触れ合い」が57.7%となっている。06年度に行った調査での訪日旅行の主な関心事は、「日本人とその生活様式」が最多、次いで「神社・仏閣・城」が2位だった。
「日本滞在中に購入したい品目」について「洋服」「ゆかた・着物」「陶磁器」などの選択肢の中から、5品目を選んでもらった結果、TICによると「洋服」が最も多く、「中でもTシャツや普段着、ジャケットを買いたいという声が多く聞かれた」と話している。実用的で、自分のための日本旅行の記念となる品を持ち帰りたいという意向や、日本製アパレル製品への高い支持が背景にあるのではないかと分析。4位から6位には「日本茶」「日本酒」「日本菓子」がランクインしており、日本食ブームが垣間見られた。居住国別傾向では韓国が「玩具」「バッグ」「キャラクターグッズ」についての購入意欲が他の居住国と比べて高い。米国の「百円ショップの小物」の順位が比較的高めだった。
訪日回数については「初めて」が全体の78.1%と圧倒的に多かった。訪日目的は「観光」で全体の76.1%と最多。次いで「親族・友人訪問」が10.6%。日本滞在予定日数は、バカンスを長めに取る傾向のある欧・米・豪の回答数が多いことを反映してか、「15〜21日」が36.6%、「8〜14日」が29.9%と圧倒的に多かった。平均滞在予定日数は「17.8日」と長めであった。
「日本滞在中に最も良かった」ことについて、「日本人は『親切で協力的』とのコメントが目立った」(TIC)。半面、不便だった点として多くあげられたのは、「言葉が通じない」点だった。
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