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旅館・ホテル ■第2451号《2008年1月5日(土)発行》
山形・高見屋旅館が野球場のネーミングライツ取得
山形県の蔵王温泉や湯の浜温泉でホテルグループを展開する「高見屋旅館」(山形市、岡崎重彌社長)は蔵王の名前を国内外にアピールし、スポーツの振興に貢献しようと12月21日、県野球場の命名権(ネーミングライツ)を取得した。契約期間は3年間。年間500万円で命名権を購入。同野球場は08年4月1日から「山形蔵王タカミヤホテルズスタジアム」になる。
同野球場は、プロ野球の東北楽天ゴールデンイーグルス2軍の本拠地。同県が年間500万円以上で命名権を購入する企業を募集したところ、同旅館が選ばれた。また、同球団が1軍の本拠地を構える宮城県営球場は同日、製紙大手の日本製紙(東京)「クリネックススタジアム宮城」の呼び名から頭文字を取った「Kスタ宮城」の新名称になった。
同旅館は蔵王温泉などでホテルグループを展開する「タカミヤホテルグループ」として、蔵王温泉で深山荘高見屋など5ホテルと湯野浜温泉でタカミヤ湯の浜テラス西洋茶寮を経営している。また、蔵王温泉で「歴史と文化の美術館」を経営するほか、06年には、台湾のランディスホテル&リゾートと業務提携。
同旅館の吉岡昌次支配人は今後について「今回の命名権取得で、名前を冠したジュニア野球大会を企画したい」と意欲を示した。現在、同旅館のホームページ上で、「山形蔵王タカミヤホテルズスタジアム」の略称を一般公募している。「年明けをメドに略称を決定したい」(同旅館)。
全旅連が国交相訪問、観光庁創設に期待
冬柴大臣(右端)へ陳情する佐藤、大木、小森の各氏(右から)
全国旅館生活衛生同業組合連合会(全旅連)の佐藤信幸会長(山形県・日本の宿古窯)は12月17日、国土交通省の冬柴鐵三大臣を訪れ、「観光庁」の早期設立を要望した。
訪れたのは佐藤会長ほか、大木正治会長代行(愛媛県・ホテル葛城)、小森泰信政策担当常務理事(静岡県・桂川)ら。
佐藤会長は「観光は宿泊業、運輸業、旅行業および飲食業に加え、農林水産業、商工業など幅広い業種から成り立っているが、関係省庁などの窓口が業種別に違っている。観光立国を推進するためにも、早急に観光庁の設立を」などと要望。
佐藤会長はこのほか、「四国・九州」「北海道・東北」など地域をまたいだツアーコースが増えていることから、各運輸局の相互交流をさらに深めることも要望。さらに、旅館業界に対する金融機関の融資条件緩和、旅館が後継者の育成と継承がしやすい環境の整備──などを求めた。
冬柴大臣は、観光立国推進基本法の施行、観光立国推進基本計画の閣議決定など、国が観光を重要政策として推進する体制が整いつつある現状を説明。金融問題などで厳しい状況にある旅館業界に対して、「日本には素晴らしい観光資源がまだまだたくさんある。お互いがんばりましょう」と激励した。なお、観光庁の創設はこの日から1週間後の12月24日に閣議決定された。
日本秘湯を守る会、ウェブサイトを充実へ
あいさつする佐藤会長
朝日旅行協力会の部会の1つ「日本秘湯を守る会」(会長=佐藤好億・福島県大丸あすなろ荘社長、191会員)は12月20日、第33回通常総会を神奈川県箱根町の湯本富士屋ホテルで開いた。124会員が出席。07年に新設した宿泊予約WEBサイトの運営状況報告のほか、08年度の事業内容の決議を行い、新たに金融問題対策機構の研究開始を決めた。
総会であいさつした佐藤会長は「日本のいで湯を次世代に守り伝えるのが会の本義。支部総会や研修会に積極的に参加し、会員間の温度差をなくすとともに研さんを深めてほしい」と述べ、会員に奮起を求めた。
新年度事業では、新たに金融面などで経営難に陥った会員旅館を救済する機構を作るための研究会などを作り、その方策の検討を始める。
また、07年6月に新設した会員宿の宿泊予約ができるWEBサイトへの積極的なプラン提供と平日8500円で宿泊提供を行う「冬期キャンペーン」への参画、温泉学会への積極的な参加を議決した。
総会ではこのほか古民家再生の第一人者で建築家の降幡廣信氏が「日本建築における和の文化」をテーマに講演した。
国観連との合併問題、“白紙”からの議論強調 日観連
日本観光旅館連盟(佐久間進会長)は12月19日、東京都内で正副会長会を開いた。国際観光旅館連盟との合併問題で、国観連が「合併推進協議会」開催に先立って、新団体の運営や事業に関して具体案を示すように求めてきた申し入れについて検討。協議に前提条件を付けないことは、これまでに双方で確認済みだとして、協議会の名称などにはこだわらず、両連盟による意見交換の場を1月早々にも開催するよう提案することを決めた。21日に国観連に通知した。
日観連は合併問題を打開する場として、双方がメンバーを出し合う協議会の設置を要望してきた。日観連は一度提示した会費設定などに関する協議方針を撤回し、白紙の状態で協議に臨む姿勢を示した。国観連もこれを受け、07年9月に両連盟の副会長が顔をそろえる「懇談会」に参加した。
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