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旅館・ホテル ■第2455号《2008年2月9日(土)発行》
07年の旅館・ホテルの倒産は108件・負債1638億円 帝国DB調べ
民間調査会社の帝国データバンクによると、昨年1年間のホテル・旅館経営業者の倒産は108件、負債総額は1638億4400万円だった。前年に比べ件数は3件増加。負債総額は101億1700万円減少した。件数微増、負債総額減少だが、「宿泊料金の下落や過去の設備投資が重荷となり行き詰まる老舗業者が後を絶たず」(帝国データバンク)、経営者にとって厳しい状況は依然続きそうだ。
大型施設の倒産は今年に入っても続いている。栃木県川治温泉の一柳閣本館は1月7日、東京地裁に自己破産を申請、同日に破産手続きの開始決定を受けた。帝国データバンクによると、負債額は約50億円。今後は旅館事業の継承を目的にスポンサーを探す意向だ。
同社は1934年創業。100室を超える客室や宴会場、大小会議室を装備し、01年11月期には売上高約11億3千万円を計上していたが、バブル崩壊後の団体客数と宴会の減少などで業績が低迷。メーンバンクの足利銀行の一時国有化や金融債務の整理回収機構(RCC)への移管などで状況がさらに悪化した。
静岡県伊豆・下賀茂温泉で旅館「伊古奈」を経営する伊古奈観光開発は1月28日、静岡地裁へ民事再生法の適用を申請した。帝国データバンクによると、負債額は14億7千万円。営業は平常通り継続しており、今後はスポンサーを選定して再建を図る。
同社は1937年設立。数寄屋造りの純和風を特色とした伊豆半島屈指の老舗高級旅館「伊古奈」を経営し、バブル期の1986年に約10億円を投じて改装オープン。営業拡大を図ったが、その後の不況と群発地震などの自然災害から集客数が減少傾向をたどり経営が急速に悪化。業績の回復が見込めない中、抜本的再建策が必要と判断、今回の措置に至った。
旅館のコンサルティングを手掛ける飯島綜研(本社埼玉県)の孫田猛社長は「今年は金利の引き上げ、物価高騰、消費者の可処分所得のさらなる減少により、さらに厳しい状況が予想される」と指摘。「顧客にとってコストパフォーマンスが抜きん出て高く、価値がわかりやすい旅館が選択されることを経営者は認識すべき」と述べている。
07年の平均客室利用率は69.9%、前年比微減 JCHA
全日本シティホテル連盟(JCHA、清水信夫会長)の07年1〜12月の平均客室利用率は69.9%。06年の70.1%と比較し0.2ポイント減となった。
JCHAでは、07年が前年を下回った要因を「チェーンホテルの進出に伴い、各ホテルの状況が厳しくなっている」(太田雅晴専務理事)と見る。06年がここ数年で最も好調だったことを考慮しての話だ。「年前半は前年並みのペースだったが、後半が良くない。特に地方でチェーンホテルの影響が大きい」
東京旅組が新年会、「ホスピタリティのさらなる向上」誓う
議員など多くの来賓がかけつけた
東京都ホテル旅館生活衛生同業組合(潘桂華理事長=ビジネスホテルバン)は4日、東京の目黒雅叙園で新年懇親会を開いた。組合員と地元選出の衆参議員、都議会議員、佐藤信幸・全旅連会長ら生活衛生業界関係者、組合指定商社など約180人が参加。来賓から「東京都の観光振興は旅館・ホテルのもてなしがあってこそ」と、日ごろの業務に感謝の意を述べるとともに、東京五輪の誘致を視野に、ホスピタリティのさらなる向上を望む声が上がった。
潘理事長は「旅館・ホテルは観光産業のリーダー的な役割を果たさねばならない。業界の発展を図るため、組合員同士が情報を速やかに共有できる態勢を整えたい」と述べた。
このほか来賓から、「年初から経済情勢が不安定だが、旅館・ホテルの皆さまは厳しい時代の中でも工夫を凝らして営業を続けてこられた。諸問題を乗り越えて明るい展望を見いだそう」「安心・安全、おもてなしの心でお客さまを迎えることで、東京都のイメージアップが図れる。旅館・ホテルの皆さまのご協力を」と、組合員を激励するあいさつが続いた。
読売旅連と契約指定協会が合同常務理事会、3氏を副会長に
協定旅連の岩崎会長(壇上)
読売旅行協定旅館ホテル連盟(岩崎修三会長=鹿児島県・指宿いわさきホテル)と読売旅行契約指定協会(中村清賢会長=茨城県・水戸ドライブインひたちの里)は1月28日、東京のパレスホテルで合同常務理事会を開き、役員の一部補任を行った。
協定旅連の副会長に関金四郎・上信越地区会会長(長野県・発哺国際ホテル天狗の湯)、高塚悌司・関東地区会会長(茨城県・潮来ホテル)が就任。前任の田中伴尚(新潟県・ホテル後楽荘)、山田宏(静岡県・ホテルラヴィエ川良)両氏は退任した。
契約指定協会の副会長には佐藤雅高氏(宮崎県・千穂の家)が就任。前任の田原迫虎男氏(鹿児島県・知覧パラダイス)は退任した。
会社側から出席した土井誠・読売旅行社長は、あいさつで会社の集中送客キャンペーン「読売ロマンの旅」にふれ、昨年度の対象地域「中・南九州」に目標の12万人を超す15万人近くを集客したと説明。
土井社長はまた、「連盟・協会の皆さまと手を携え、着地からの情報発信に視点を置き、いい商品を作ろうと(現場に)指示した」と、着地からの視点による商品造成に力を入れる姿勢を示した。連盟・協会と会社が双方向で情報を交換するSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)も昨秋立ち上がり、同ネットワークの積極的な活用も促した。
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