JNTOはこのほど、ドイツの旅行代理店販売員14人を招へいした。VJC事業の一環。訪日客増加には「商品の販売力を高めることが必要」(JNTO)として実施。一行は温泉や旅館、宿坊体験など「心身の癒し、リフレッシュ」をテーマに旅を体験した。参加者からは「(体験することで)商品が売りやすくなった」との反響があり、JNTOでは今後もセミナーなどを通じて継続的に教育研修を行い、集客につなげる方針。 招へいしたのはJNTOが販売員向けに実施するネット研修(E−ラーニング)に合格し、特に優秀な成績を収めた14人。7日間の日程で京都府、東京都、広島県などを訪問。初めて訪日した参加者も多く、特に広島県厳島神社での祈祷や、京都府の宿坊での精進料理など、異文化体験が好評で「商品が売りやすくなった」という。 またドイツ人は鉄道旅行を好むことから「パスモで自動販売機のジュースが買えることに驚いた」「今回のように新幹線に乗るツアーは売れると思う」といった販売員ならではの意見も挙がった。 JNTOによると08年1月現在、ドイツで訪日旅行を取り扱う旅行会社は約100社。旅行会社に対する商品造成支援や研修、広告活動などが実を結び、04年の46社から約2倍に増加した。 最近では東京、箱根、京都といったゴールデンルートに加え「九州に足を延ばすコースも出始めている」(JNTO)という。一般的な商品は12日間で、価格が日本円で約32万円から48万円ほどのものが多い。いずれも伝統文化と体験を組み込んだ商品が好まれている。 E−ラーニングは06年に開始。初、中、上級の3コースで、初級では一般的な観光情報を、上級では長寿国日本での「癒し」スポットなどの情報を説明文で掲載。いずれも文章を読んで設問に答える形式。全コースを受け一定点に達すれば合格となる。今年試験に合格した販売員は342人。各コース修了者数は計3488人。