内閣府が四半期ごとに公表している地域経済動向によると、今年2月の全国11地域の景況判断は、前回調査(昨年11月)に比べて上方修正された地域がゼロ、下方修正された地域が東北、北関東、北陸の3地域だった。その他8地域は前回調査と同じだった。東北は鉱工業生産と個人消費、北関東と北陸は雇用情勢などを理由に下方修正となった。 景況判断で「力強く回復している」は東海1地区のみ。「回復している」は南関東、中国、沖縄の3地区、「緩やかに回復している」は北関東、北陸、近畿、四国、九州の5地区、「持ち直している」はゼロ、「このところ持ち直しの動きが緩やかになっている」は東北1地区、「持ち直しの動きに足踏みがみられる」は北海道1地区となった。 「持ち直している」から「持ち直しの動きが緩やか」に下方修正された東北は、鉱工業生産が「増加傾向」から「横ばい」、個人消費が「おおむね横ばい」から「やや弱含み」、雇用情勢が「依然として厳しい状況だが緩やかな改善傾向」から「依然として厳しい状況であり、緩やかな改善傾向に一服感」にそれぞれ下方修正された。 「回復」から「緩やかに回復」に下方修正された北関東と北陸は、雇用情勢が「着実に改善」から「改善の動きに一服感」に下方修正された。
国土交通省の「観光カリスマ塾」が3月3日から1泊2日の日程で、石川県山代温泉の瑠璃光で開催された。全国から観光関係者ら11人が参加。塾長を務めたのは、観光カリスマで、瑠璃光などの旅館を運営するよろづや観光社長の萬谷正幸氏。「伝統・文化を重視した温泉街づくり」のテーマで講演、地域づくりの秘訣などを語った。 萬谷氏は、バブル期後の温泉観光地を取り巻く社会環境の変化の中で、ターゲットを団体から個人へ、男性客から女性客へと転換させた山代温泉の取り組み事例を紹介。「これから生き残るには価格訴求ではなく、価値訴求が必要だ」と指摘した。 また、1996年の山代温泉開湯1300年祭事業について説明。市民と一体で町を活性化させることで石川県を代表する祭りの1つに成長した「山代大田楽」や、まち歩きのできる地域整備のために立ち上げた「九谷焼窯跡展示館」「はづちを楽堂」などの成功事例を紹介した。 総湯(江戸時代から山代温泉に設置されている共同浴場)のある広場、湯の曲輪(がわ)を中心に、歴史情緒ある温泉街を再現する構想も紹介。09年には「市民向け湯」をオープンさせ、その後「総湯」を明治時代の外観をイメージに復元する予定。萬谷氏は「湯の曲輪を中心に、市民と観光客が交流できるまちづくりを目指したい」と述べ、「あきらめずにやり続けることが大切。いつか必ず成果が出る」と塾生たちに呼びかけた。 このほかにも、山代温泉旅館協同組合の吉田眞啓理事長が「山代グランドデザインについて」、魯山人寓居跡いろは草庵の洞口寛学芸員が「山代温泉と魯山人」、九谷焼窯跡展示館の田嶋正和副館長が「山代温泉と九谷焼」、大幸甚・加賀市長が「湯の曲輪の再生」のテーマでそれぞれ講義を行った。