国際観光振興機構(JNTO)によると、今年2月の訪日外客数が前年同月比10.3%増の69万7千人となり、2月としては過去最高を記録した。JNTOは中国、香港、シンガポールなどを背景にした旅行意欲の増加と豪州や米国のスキー旅行の人気上昇などを好調の要因としてあげている。 国・地域別では韓国が同16.1%増の23万4900人。VJC観光親善大使でもある、韓国の歌手ユンナさんを起用して行った映画館での上映前広告などが訪日旅行増のプラス要因として影響を与えた。また、ノービザによる気軽さ、週休2日制の浸透が温泉、ショッピングなどを目的とする観光客の増加につながった。 半面、台湾は同10.0%減の11万4100人にとどまった。旧正月の連続休暇の減少や休暇期間の訪日ツアー料金が高めに設定されるなどのマイナス面が作用し、訪日客が1割減となる要因になった。 中国は同13.1%増の8万5100人。2月としては初の8万人台を越えた。 香港は同35.3%増の5万5800人と大幅な伸びを示した。JNTOは「VJCの観光親善大使で香港のタレント、フィオナ・シッさんを起用して行った広告効果、好調な景気などが訪日客の増加を底上げした」と話している。 米国は同4.1%増の5万人と微増した。東京マラソンの開催や訪日スキーツアーの催行などが奏功。 英国は同2.3%増の1万6300人。ドイツは冬季の割引航空運賃の流通が訪日観光の需要につながり、同9.6%増の9400人。フランスは同5.0%増の9200人だった。 豪州は同31.1%増の2万500人、カナダが同14.8%増の1万4千人、シンガポールは同32.8%増の1万1700人、タイは同30.9%増の1万700人だった。 出国日本人数は同0.7%減の136万8千人。全般的な傾向として、60代以上の海外旅行は好調であるが20、30、50代の男女海外旅行の伸び悩みが、出国者数全体の伸びを押し下げた。
KNTと東日本旅客鉄道は3月27日、韓国発の訪日個人客向け旅行商品の共同開発、販売を始めることを決めた。韓国人訪日客で高まる、高級温泉旅館や新幹線などへのニーズに対応するため、両社のノウハウとキャリアを生かした商品造成を行い、個人旅行需要の喚起を図る。 造成する商品は、日本国内の宿泊とJR東日本管内の新幹線や特急などの鉄道をセットにした個人旅行商品。商品造成はKNTが行う。 KNTは昨年11月に韓国ソウル市の総合旅行会社HANA TOUR SERVICE.INC(ハナツアー)と業務提携を結んでいるが、今回造成した商品は、ハナ社が販売する。ハナ社の日本法人がKNTと共に旅行者へのサポートを行う。 韓国からの訪日旅行は個人旅行化が進んでおり、「高級温泉旅館や新幹線を利用することで、付加価値の高い旅行商品とし、韓国人訪日客のニーズに応えたい」(同社)。 同商品の販売は6月からの予定。販売見込みは08年度1千人。