国際観光振興機構(JNTO)が訪日外国人旅行者の満足度を調べたところ、北海道・ニセコが最も満足度(推薦件数を訪問件数で割った数)が高いことが分かった。ニセコは63.9%で、白馬の63.2%、立山・黒部の62.4%が続く。10位以内には東京や大阪など大都市が入っておらず、地方観光地の満足度が高いことも明らかになった。 調査は06年から07年にかけて国内主要空港で実施。外国人旅行者へのインタビュー結果を分析した。サンプル数は1万3891件。 JNTOでは「特にニセコや白馬ではスキーという明確な訪日目的を持った旅行者が満足していることがうかがえる」と指摘。立山・黒部では「自然景観の美しさを推薦理由に挙げる訪日客が目立つ。地方都市は訪問件数は少ないが、満足度が非常に高いため今後のPR次第で伸びる」と期待を込める。 市場別で満足度の高い地域は以下の通り。 【韓国】 房総、富士山、伊豆半島・熱海がいずれも50%台で上位3位。登別などの温泉地も上位に入った。訪問件数、推薦率ともに高いのは湯布院、別府など九州の観光地。 【台湾】 立山・黒部が67.6%と非常に高い。富良野など北海道の観光地も上位を占め、都市部の訪問地はいずれもランキング圏外。地方や自然の豊かな場所に満足感を得ていることが分かる。 【中国】 日光とトップ。鹿児島市がともに50%で同率のトップ。小樽(40%)が続く。富士・箱根周辺も満足度が高い。 【香港】 ニセコが71.4%と非常に高く、南紀(66.7%)、富良野(55.8%)までがトップ3。松島、仙台など宮城県の観光名所がランクインしているのも特徴。 【米国】 沖縄県の訪問地が1、5、16位に入っているほか、京都など歴史と伝統を感じられる場所の満足度が高い。 【英国】 京都市がトップ。東京都内や他の大都市のほかに、鎌倉、日光も高いことから、米国同様に歴史と伝統があふれる観光地が支持された。
広島空港と岡山空港に香港からの定期便が就航する。これを機に、香港旅行会社による中国地方へのツアー造成や企画商品の充実が期待され、受け入れる広島、岡山の両県では利用者拡大に向けて、旅行会社への商品造成支援を行うなど積極的な方針を打ち出している。 定期便を就航するのは香港エクスプレス。4月26日からは岡山空港に週3便、広島空港では5月1日から週2便が就航する予定。今回の定期便の供給座席は164席。両空港を利用すればほぼ毎日、香港便が中国地方へ運航することになり、香港から同地域を訪れる旅行客が増えそうだ。 香港からの定期便就航は初めてとなる岡山空港。「これまでのチャーター便利用が好調だったことも就航を後押しした」と同県航空企画推進課は説明する。昨年12月から今年1月までの期間の実績は、10便、1300人。今年の4月4日から5月2日には8便のチャーター就航が決まっている。 広島空港への就航は03年以来。県空港港湾部航空振興課によると92年に週2便でドラゴン航空が定期便を運航。96年には年間6万9800人が利用するなど好調だったが98年以降利用者が減少、03年にはSARSの影響で運休していた。 広島県では今年5月上旬に香港の旅行会社、マスコミ関係者ら15人を招へいし、同空港を活用した旅行商品造成を働きかける方針。 広島県によると香港の旅行会社ではこれまで、4泊5日や3泊4日などの日程で旅行商品を造成。岡山空港から入り、広島、岡山、天橋立などを訪問後、岡山空港から帰国するルートのほか、広島空港から入り岡山、有馬、明石、淡路など関西地区を中心に観光後、宮島を見学して広島空港から帰るコースなどが主流で人気を集めていたという。