観光庁の新設などを盛り込んだ国土交通省設置法などの改正法案が15日、衆院本会議で賛成多数で可決された。法案は参院に送付された。衆院では民主党なども賛成しており、今国会で成立する見通し。観光庁は、国交省の外局として、今年10月に発足する予定。 観光庁設置、観光立国の実現に向けた施策の推進を強化するのが狙い。長官をトップに体制を拡充し、関係省庁に対し調整力を発揮、地域づくりへの支援、海外への情報発信などを強化する。 衆院の国土交通委員会は同日、本会議に先立つ委員会で、付帯決議の1項目として「観光庁は行政改革の趣旨を踏まえ、観光立国の実現に関する施策の推進を総合的、効率的、効果的に行うこと」と決議した。
国土交通省は、今年10月に予定される観光庁の発足を念頭に、観光行政、観光政策に各界の有識者の意見を反映させるため、「観光に関する懇談会」を設置、10日に初会合を開いた。総合観光政策審議官の行政運営上の懇談会という位置づけで、座長には生田正治・商船三井相談役が就任した。 懇談会メンバーは17人で、観光分野に限定せず、産業界などから幅広く集めた。国際観光、地域づくり、産業・人材育成といったテーマ別の課題、観光行政のあり方などについて意見を聞く。6月下旬までに4回開催する予定。 初会合で冬柴鐵三国土交通・観光立国担当相は「観光は21世紀の国づくりの柱。観光立国の実現に全力を傾注しているところだ。観光庁も10月に発足する。さまざまな角度から観光に対する率直な意見をうかがいたい」とあいさつした。 座長以外のメンバーは次の通り(敬称略)。 青木保(文化庁長官)、石森秀三(北海道大学観光学高等研究センター長)、江口克彦(PHP総合研究所代表取締役社長)、大塚陸毅(東日本旅客鉄道取締役会長、日本経済団体連合会観光委員会委員長)、桑野和泉(由布院玉の湯代表取締役社長)、篠原文也(ジャーナリスト)、白石真澄(関西大学政策創造学部教授)、須田寛(東海旅客鉄道相談役、日本商工会議所観光専門委員会委員長)、中村胤夫(三越相談役)、福澤武(三菱地所相談役)、福武總一郎(ベネッセコーポレーション代表取締役会長)、舩山龍二(ジェイティービー代表取締役会長、日本ツーリズム産業団体連合会会長)、森地茂(政策研究大学院大学教授)、山田啓二(京都府知事)、山出保(金沢市長)、吉田忠裕(YKK代表取締役社長)
日本観光協会は11日、今年の「旅フェア」の会場となる横浜市のパシフィコ横浜で、出展者説明会を開いた。従来「旅の総合見本市」とうたっていたが、14回目となる今回から「日本観光博覧祭」とし、癒しをテーマに6月19日から4日間開催される。 前回同様、19日はビジネスデーにあて、商談会やセミナー、交流会などを実施。20日から一般公開となる。また、19、20日は「YOKOSO!JAPANトラベルマート2008春」と銘打ち、海外バイヤーとの商談会の場を設ける。 今回も有料制とし、当日券1千円、前売券700円に。期間中の入場者数は15万人を見込んでいる。 説明会の冒頭にあいさつした吉田正嗣理事長は、「国内観光の低迷が言われるが、旅行意欲は依然として強い。旅行に行かせる気にさせるのが大事であり、一押しの観光魅力を(来場者に)アピールしてほしい」と呼びかけた。