甘利明経済産業相は4月25日、08年度版の中小企業白書を閣議に提出、了承された。白書は原油・原材料価格の高騰、改正建築基準法施行後の建築着工件数の減少などにより、中小企業の業況が悪化していると指摘。また、大企業を含めた04〜06年の廃業率は6.2%で、飲食・宿泊関連の廃業が多いと報告した。 原油価格の上昇で収益を圧迫されている中小企業は全体の9割を超えており、6割はコスト上昇分をサービスや製品の価格に転嫁できていない。 開業と廃業の動向を見ると、04〜06年の開業率(企業数ベース)は5.1%に上向いたものの、廃業率(6.2%)を下回る状態が続いている。業種別では情報通信業、医療・福祉の開業率が高い。対して、飲食・宿泊業は開業率7.9%(01〜04年6%)だが、廃業率は8.7%(同8.5%)で、他業種に比べ廃業率が高くなっている。 中小企業はサービス業では資本金5千万円以下または従業員100人以下の企業と個人事業者、製造業や建設業では資本金3億円以下または従業員300人以下などと定義され、同庁によると、06年の全企業数は421万社で、うち中小企業は419万8千社。国内企業の99.7%を占める。
経済産業省がこのほど公表した今年2月の第3次産業活動指数(00年=100、季節調整済み)は108.4で、前月比1.7%低下した。旅館、ホテルなど宿泊業が前月を2.0%下回った。 旅館は85.7で前月比2.9%減、ホテルは123.8で同0.6%減。旅館とホテルを合わせた宿泊業全体は100.4で同2.0%減。 このほか、旅行業は94.6で同0.1%増、公園・遊園地は116.2で同4.8%減、国内航空旅客運送業は101.1で同0.8%増、鉄道旅客運送業(JR)は99.1で同3.7%減──など。