国際観光振興機構(JNTO)の間宮忠敏理事長は4月24日に開いた記者会見で、4月1日からVJC事務局と再編し、新組織としてスタートしたことについて「VJC事務局の機能を受け継ぎ、事業再編本部と企画再編本部の2部体制で行う」と述べた上で「組織運営を効率的に運営し、効果を最大化していく」と強調した。 間宮理事長は今年の訪日外客目標数を915万人にすることに関して「何としてもやり遂げたい」とし、10年までの残りの3年間で「戦略的な取り組みを行い、10月に設立する予定の観光庁とともに外客誘致を推進していく」と決意を表した。 今後の課題については「人材育成」と挙げ、3年ぶりに新卒採用を計画するなど、会社全体として大きなパワーになるように「職員に能力開発が図れる場と経験を与えたい」と示した。 今年の事業計画については4月から第2期中期計画が始まり5年間かけて行う。ウェブサイトを最も重要なマーケティング手段として活用し、海外メディアなどに働きかけ、訪日需要の喚起を図る。その他、国内外の組織団体、地方自治体と連携し、訪日外客数が伸びているアジア市場だけでなく今後増加が見込まれる欧米市場を開拓していく。 記者会見では08年が日仏交流年で、初の同時交通広告キャンペーン事業の取り組みと今年が日韓交流年としたキャンペーン事業についても説明した。日仏交流年を記念した共同キャンペーンは東京とパリで同時交通広告キャンペーン事業を実施。日本では6月まで東京、大阪の路線で列車広告など行う。 日韓交流年のキャンペーン事業ではキャンペーンサイトをこのほど開設。日本から韓国へのビデオメッセージを発信し、訪日需要を図る取り組みを実施している。
国際観光振興機構(JNTO)は4月25日、3月の訪日外客数が前年同月比6.9%増の73万1900人と、3月としては初めて70万人台を超えた。VJCの宣伝効果、好景気、イースター休暇の旅行需要などがプラス要因で影響し、訪日旅行を需要喚起した。 国・地域別では韓国が同0.6%減の18万7500人。為替相場の急激な変動がマイナスに作用して、05年以来、前年同月比で34カ月ぶりに減少。また、3月としては98年以来10年ぶりに減少した。 台湾も同11.8%減の9万6千人。JNTOは「台湾総統選挙のため外国旅行を控えた影響でマイナスになったのでは」と見ている。 中国は同7.8%増の9万900人。桜観賞ツアーの人気、航空便の拡充などが訪日客増に貢献した。香港は同59.1%増の4万9100人と大幅に伸びた。好景気、イースター休暇などの好要因が訪日旅行の需要を拡大した。 米国は同8.2%増の8万2千200人。米国のプロ野球リーグ「メジャーリーグ」の日本開幕戦が東京で行われ、チーム関係者などがチャーター便で来日した影響などで3月としては過去最高になった。 英国は同4.4%増の2万2900人。ドイツは同4.0%増の1万3300人。フランスは同6.3%増の1万2300人で、ユーロ高基調などで訪日客が増加。3カ国とも過去最高の訪日外客数だった。 タイは同30.5%増の2万6800人、豪州は同33.1%増の2万2400人、カナダは同19.0%増の1万9千人、シンガポールは同35.0%増の1万4200人だった。 出国日本人数は同7.6%減の145万5千人。中国などへの旅行の手控え、景況感の悪化などが海外旅行への阻害要因となり、11カ月連続で減少した。