JTBは、4月25日に開いた取締役会で、田川博己専務取締役の社長就任を内定した。財務上のリストラをほぼ終えたことから、営業手腕の高い田川氏のもと、グループ力の強化を目指す。佐々木隆社長は代表取締役会長に、舩山龍二代表取締役会長は取締役相談役にそれぞれ就任する。6月30日開催の株主総会と取締役会で正式に決まる予定。 会見で田川専務は「JTBの機能、財産、ブランドはまだまだ拡大する。CS(顧客満足)とES(従業員満足)の基礎固めをしながら、地域交流ビジネス、グローバル化、オンラインビジネスなどの成長戦略をもう一歩踏み出し、新たなJTBを作っていく」と社長ビジョンを示した。 手数料率の削減も含んだ09年度の宿泊契約制度改定の旗を振るなど宿泊業界に理解のある田川新社長には旅ホ連会員の期待もかかる。「今の課題は宿泊単価を上げて、お客さまを増やすこと。JTB1社では難しいので、TIJやJATAも巻き込み、この動きを加速させたい」と意欲を語った。 02年6月に就任した佐々木社長は、経営構造改革に取り組み、06年には分社化による新たなグループ経営体制を構築、この年度の経常利益は過去最高、307億円に達した。田川専務の社長選任理由は「旅行事業本部長として分社化後の2年間、ネットワークの魅力を付け、各社の魅力を付けるという矛盾した課題を見事にやり遂げた」と営業能力を評価したことを明かした。 田川博己氏(たがわ・ひろみ) 1948年1月2日生まれ。慶應義塾大学を卒業後の71年、JTB(当時日本交通公社)に入社。川崎支店長、JTBインターナショナル取締役副社長などを歴任し2000年に取締役営業企画部長、02年に常務取締役、05年に専務取締役営業企画本部長、06年4月から現職。
JTBはこのほど、07年度(07年4月〜08年3月)の宿泊販売が目標の3600億円を達成すると発表した。3月分を推定して算出し、06年度の3535億円に対して2.1%増となる3610億円となる見込み。08年度目標は、旅行環境が厳しいと判断し、かねて想定していた3800億円を07年度見込対比3.9%増の3750億円に下方修正した。大目標に掲げる09年度の4000億円は変更しない。 団体旅行や手配旅行の販売額は前年度を下回ったものの、企画商品「エース」やインバウンドが好調。インターネット販売も、高めに設定した目標には届かないが、20%を超える伸びとなった。販売額3610億円は固くとらえた推定値で、確定値はこれをいくぶん上回るものと見られる。 08年度は、宿泊予約サイト「るるぶトラベル」を中心としたネット販売で増売を図る考え。それ以外の既存ビジネスは、インバウンドは拡大を見込むが、個人・グループ、団体は07年度を下回る目標に設定している。 田川博己JTB専務旅行事業本部長は「08年度目標の3750億円はミニマム。目標を着実に達成することで持続可能な成長を求める。現場の社員の気持ちは3800億円を上げるつもりでいる」と宿泊増売の手を緩めないことを強調する。
KNTの08年第1四半期の連結での業績は、経常損失が34億7100万円(前年同期は33億3700万円の損失)となった。営業収益は152億4500万円で、前年同期比5.4%の減少だった。営業損失は33億8500万円。純損失は40億2900万円(前年同期は32億1300万円の損失)となった。事業再編に伴う特別損失2億5800万円の計上などから、損失が拡大した。 旅行業のうち海外旅行は、燃油価格の高騰や景況感の悪化から、旅行離れが進み、同社個人企画旅行「ホリデイ」は低調に推移。国内旅行は海外旅行からのシフトが九州、沖縄方面商品など限定的な動きとなり、前年並みとなった。団体旅行で、法人需要のMICE(国際会議など)が好調だったことから、旅行業全体の実績は前年並み。 このほか、箱根高原ホテル、北交大和タクシーの株式の一部を売却したことから、奥日光ホテルを合わせた3社が連結子会社から持分法適用の関連会社に異動。利益の縮小に影響した。
阪急交通社は4月30日、夏休み国内旅行キャンペーンの一環として「絵日記コンクール」を開催すると発表した。昨年も絵日記を募集したが、今回はコンクールと銘打って、優秀賞を選び、応募作品すべてをホームページ上にアップするなど、「より力を入れた」(同社)と言う。 7月31日〜9月2日の期間、全国各地で造成した国内旅行42コース(ファミリー向け商品)に参加した、12歳までの子どもを対象に、「楽しい旅の思い出を絵日記にして応募してもらう」。 A4サイズの用紙をツアー中に配布し、回収する。応募作品の中から優秀賞として賞状と任天堂の「wii」を50人にプレゼントする。また、参加賞として応募者全員に図書券500円分を贈る。
東日本フェリーは2日、青森〜函館航路に2隻目となる双胴型高速フェリー「ナッチャンWorld」=写真=を就航した。運航中の「ナッチャンRera」と合わせ1日当たり最大22便の運航ダイヤとなる。 新船は最大搭載人員約800人で、同区間を約2時間で結ぶ。旅客運賃はエコノミーで大人5千円、ビジネス6千円、エグゼクティブが1万円。 新船就航に伴い、青森の高速船ターミナルを供用開始した。ターミナルかボーディンブリッジで乗船できるようになり、利便性も向上した。
KNTグループの中国専門旅行会社、ケイアイイーチャイナの中島晴健社長は4月22日、東京都のグランドプリンスホテル赤坂で、観光・投資説明会のため来日した中国江蘇省蘇州市呉中区人民政府の兪杏楠(ユ・キョウナン)区長と会談し、「中国江蘇省蘇州市呉中区とKNTグループとの観光合作意向協議書」を締結。観光プロモーションの分野で同区と相互連携していくことを確認した。 蘇州市の主な観光資源が集中する同区には毎年9百万人の観光客が訪れる。07年に同区を訪れた日本人観光客は3万人。同区はまた大分県大山町、奈良県生駒市、神奈川県川崎市中原区と友好都市になっている。 併せて同社はこのほど、ホリデイスペシャル「知られざる蘇州の魅力を堪能!蘇州とろく直、太湖・木とく・上海4・5日間」を発売した。パンフレット費用の一部を同政府が負担。今までのパックツアーでは訪れなかった場所を見学できる。 昔ながらの水郷が残るろく直と木とく、急速にリゾート開発進む太湖などをじっくりと観光するほか、蘇州と上海を約40分で結ぶ中国版新幹線、上海市内と上海浦東空港の間を時速430キロメートルで走るリニアモーターカーにも乗車する。 成田、関空、名古屋の発着で、4月から7月末まで毎週、水、金、土曜日に設定した。
国土交通省は今年1月の国土交通月例経済の概況を発表した。主な動向は次の通り。 ◎鉄道旅客輸送 JR旅客6社の輸送実績は、前年同月比1.3%増の7億5025万4千人。このうち新幹線旅客は2.1%増の2713万2千人で、前年同月比で16カ月連続の増加。一方、民鉄の合計は3.4%増の11億3829万5千人だった。 ◎航空旅客輸送 国内線9社は、3.1%減の685万人。このうち幹線は0.6%減の293万3千人、ローカル線は4.8%減の391万7千人。一方、国際線3社は0.5%増の145万8千人だった。2月の速報は、国内線が1.1%減の721万3千人で5カ月連続のマイナス。このうち幹線が0.5%増の308万8千人、ローカル線は2.2%減の412万5千人。国際線は、1.6%減の139万7千人で9カ月ぶりのマイナス。 ◎フェリー輸送 長距離フェリー21航路の全旅客数は、2.8%増の20万人。2月の速報は0.9%減の16万人。 ◎出入国 出国日本人数は3.2%減の136万3千人。2月の速報は、0.7%減の136万8千人で10カ月連続の前年割れになった。訪日外客数は15.2%増の71万1千人。2月の速報は、10.3%増の69万6千人。 ◎ホテル 東京都内主要15ホテルの客室稼働率は2.4ポイント減の63.5%。2月の速報も2.4ポイント減の74.4%で3カ月連続のマイナスになった。