和歌山県の調べによると、07年の観光客は前年比4.7%増の3208万3千人となり、宿泊、日帰り客とも増加。外国人宿泊客は同29.8%増の16万3870万人で、「過去最高を記録」(観光交流課)した。 宿泊客は同5.1%増の556万7千人、日帰り客は同4.6%増の2651万6千人。 主要観光地を見ると、最も高い伸びを示したのは旧白浜町で、同6.5%増の333万7千人。高速道の延伸でマイカー利用者が増えたことやサファリパークの双子のパンダが話題を集め、宿泊客、日帰り客とも増加。一方、龍神温泉(田辺市龍神村)は台風の影響や温泉宿泊施設の休館などで、同11.1%減の60万人にとどまった。 外国人客については、「欧米では世界文化遺産の高野山が人気で、フランス、米国を中心に大幅に増加。アジアは白浜町宿泊のゴルフツアーが好評な韓国が大きく増え、和歌山人気が継続している香港、温泉と那智の滝が人気の台湾も堅調な伸びを見せた」(同)。
青森県は健康志向の高まりをにらみ、今年度から地域資源を活用して健康ビジネスに結びつける「ヘルスアップビジネス創生事業」を始めた。世界遺産登録の白神山地や温泉など地域資源を生かしたツアーを催行するなど、産学官連携で健康増進を図っていく。 事業は06年に県が策定した医療、健康福祉分野の新しい産業づくりを目指す「あおもりウェルネスランド構想」の一環。同構想には健康食品開発プロジェクトなど4つの戦略プロジェクトがあり、その1つ「健康増進サービス育成プロジェクト」の中で行われる。 県は今春から始まった特定健康診査と特定保健指導(メタボ健診)をビジネスチャンスとしてとらえ、健康増進メニューを組み合わせたヘルスツーリズムを推進する。メタボ対策効果に見込まれる産業創出を展開していく。 今後、5月末から8月にかけて同事業のビジネスプランを一般公募する。6月上旬にセミナーを開く予定。09年3月には事業結果の報告会を開く。県新産業創造課は「健康をテーマにした旅行プログラムの開発に力を入れていきたい」としているが、「県内で健康ビジネスのプログラムは約10あまり」と実施する団体数の少ない状況を課題に挙げ、今後増やしていく考えだ。
広島県呉市の「大和ミュージアム」は教育旅行向けのアニメーションを制作、上映を始めた。戦艦大和を題材にし、命の尊さ、家族のきずなの大切さを訴えている。市では、「アニメをミュージアムの付加価値として、より一層の教育旅行誘致に力を入れていきたい」(観光振興課)としている。 「大和 夢の彼方へ」と題したこのアニメ=写真、海軍兵だった父を尊敬して水兵になった青年が父の憧れで、また自分の夢である大和に乗り、夢(大和)とともに沈んでいく姿を描いた。「家族や友人との別れを通じて命が、平和がどんなに大切かを伝えたい」(同)と言う。 制作費約800万円、上映時間は約20分。教育旅行で来館した小中高校生を対象に上映する。一般向け公開は検討中。
鹿児島県は観光資源の良いところ(よかとこ)を観光情報誌として紹介する「かごしまよかとこ100選」で、このほど第2弾となる「躍動の旅」「海道の旅」をテーマに発行した。 躍動の旅は、「スポーツイベント」「伝統行事」「アウトドアスポーツ」といった項目別にまとめている。例えば、スポーツイベントでは、シーカヤックマラソン、自転車レースなど紹介。「開催時期からイベント、祭りを検索できるように巻末にイベントカレンダーを設けた」と観光課。 海道の旅は南北600キロメートルの県土を囲む海岸線や、種子島、喜界島など総面積の約27%を占める島々の魅力を紹介。大隅半島など海岸沿いの観光資源も取り上げ、海に関わる歴史や自然の魅力も記載。 ともにオールカラーでA5判サイズ。躍動の旅は248ページ、海道の旅は272ページ。同県内の書店で販売している。価格はともに980円。なお、第1弾は「四季の旅」「浪漫の旅」のテーマで発行している。