国土交通省はこのほど、企業や自治体、関係者などに向けた「産業観光ガイドライン」をまとめた。先駆的な取り組みを行っている中京圏を事例に、中京圏産業観光推進ガイドライン検討懇談会(座長=丸山優・日本福祉大学教授)の提言などを踏まえて作成。産業観光の推進策の1つには、着地型旅行商品の開発などを通じたビジネスモデルの構築を挙げた。 ビジネスモデルづくりの1つの方策として、旅行商品化への展開を重視。産業観光施設単独ではなく、地域一体の受け入れ策を講じることで、着地型旅行商品などの新たなビジネス分野を開拓できる可能性があると提言した。 着地型旅行商品の開発では、「地域の推進協議会などをランドオペレーターとして、産業観光施設と一般的な観光施設を結びつけ、魅力ある商品を開発することにより地域の活性化に貢献できる」と提言した。 ガイドラインは、中京圏の受け入れ施設の具体例などを多数紹介し、産業観光を活性化させるポイントを解説している。
北海道はこのほど、アウトドア活動振興に向けた中期計画「北海道アウトドア活動振興推進計画」を策定した。02年に一度策定した計画をエコツーリズム推進法の施行、知床の世界自然遺産登録など情勢の変化を踏まえて刷新した。アウトドア資格制度の普及などを盛り込み、自然環境保全につなげていく。 同計画は08年から12年までの5カ年計画で実施。道の観光振興計画「北海道観光のくにづくり行動計画」と整合性を図りながら推進する。(1)人と自然の共生(2)地域に根ざした個性豊かな人材育成の確保──といった視点で展開する。 (1)については、道がアウトドアガイドと事業者のホスピタリティの向上を図るため「アウトドア資格制度」を02年に創設。「07年3月末までの資格取得者は561人、優良アウトドア事業者は14事業者いる」と道。中期計画では同制度を普及するために、ガイドと指導者を個々に育成する方針だ。 また、アウトドア活動指導者育成では自然環境や動植物の生態などについて解説を行い、人と自然の橋渡しとなる「ボランティア・レンジャー」の育成などを行う。 今後、資格制度を活用し、自然環境の保全に配慮しながら、質の高いサービスを利用者に提供するガイドとアウトドア事業者の育成を図っていく考え。