コンサルタントのリョケン(静岡県熱海市)はこのほど、旅館を対象に4半期ごとに行っている短期観測アンケート調査の、4月実施分の結果を公表した。それによると、今年冬(1〜3月)の客数実績は「減少傾向」とする施設が46.0%で、前年比16.1ポイント増加した。半数近くが「減少」とする厳しい結果についてリョケンは、「一昨年の天候天災の風評被害の反発で前年がよかったため、今年は減少したとの意見もあり、調査結果からもその傾向が表れている」としている。 客数を「増加傾向」とする施設は23.4%で、前年比で18.3ポイント減少した。「横ばい傾向」は30.6%で、同2.3ポイント増加した。 旅館が所在する地域全体の客数傾向も、「減少傾向」が56.0%で、前年比22.7ポイントの大幅増となった。「増加傾向」は11.2%にとどまり、前年比10.7ポイント減少。「横ばい傾向」は32.8%で、同11.9ポイント減少した。 旅館の基本宿泊単価と総宿泊単価は、「横ばい傾向」がそれぞれ60.0%、55.2%と多くを占めた。総宿泊単価で「上昇傾向」とする施設は24.0%で前年比11.4ポイント減少。「下降傾向」とする施設は20.8%で、同8.2ポイント増加した。 春の見込みも「減少」目立つ 一方、今春(4〜6月)の見込みを聞いたところ、自館の客数見込みは「減少傾向」が44.4%で最も高い回答率を示した。以下、「横ばい傾向」34.7%、「増加傾向」21.0%。 地域の客数見込みも「減少傾向」が54.4%と多くが回答した。「横ばい傾向」は34.4%。「増加傾向」は11.1%にとどまった。「昨年並みの春の団体獲得ができなかった。特に4月の入り込みが悪い」との意見が多く寄せられた。 宿泊単価見込みは、基本宿泊単価、総宿泊単価とも「横ばい傾向」が60%台の回答。「上昇傾向」と「下降傾向」は10%台だった。 宿泊単価は東海、近畿、四国、九州で上昇傾向、北海道、東北、関東、北陸で下降傾向の比率が高くなっている。また基本宿泊単価より総消費単価の下降傾向の比率が高くなっており、館内消費の減少傾向を裏付けている。 調査は4月6〜22日、全国の旅館・ホテル682軒に実施した。回答数は125軒で回答率18.3%。
テレビ朝日グループの制作会社、文化工房(東京都港区)は、船井総合研究所の温浴施設コンサルティング専門チームと組んで、温浴業界向けの経営専門誌「温浴ビジネス」=写真=を7月に創刊する。年間4回の発行で1冊あたり4950円。「国内初の温浴経営専門誌になる」(文化工房)。 主要読者層に、旅館ホテルと日帰り温泉施設の経営者、支配人を想定。A4版、32ページの体裁で1万部を発行する予定だ。 掲載記事は船井総合研究所の温浴ビジネスチームが監修する。「現場で取り組むことができる事例や地域一番店の経営者の取り組みなどを紹介していく。読者の施設の業績アップに直結する経営専門紙をめざす」(船井総研)。 7月15日に発行する創刊号の予定記事の内容は、「巻頭インタビュー 仕事徹底研究・経営者に学ぶ」「特集 エネルギーコスト削減術 ボイラー代削減!ヒミツはガススイッチのタイミング」「地域マーケットレポート マクロ視点で見る繁盛店分析」など。 同社では創刊号のダイジェスト版(創刊0号)を4月15日に発刊。全国の旅館ホテル、温浴施設への配布を始めた。創刊0号は専用サイト(http://onyoku-biz.net/)から無料でダウンロードすることもできる。