総務省はこのほど、個人企業経済調査の今年1〜3月分(動向編、速報)の結果を公表した。それによると、個人企業(個人経営の事業所)の業況判断DIはマイナス67.4で、前期(07年10〜12月期)に比べ2.6ポイント悪化した。このうち飲食店・宿泊業はマイナス65.9で、同0.6ポイント改善。4業種のうち唯一、前期比で改善した。 飲食店・宿泊業で業況を「よい・好転」とする回答は2.6%。「普通・不変」は28.9%、「悪い・悪化」は68.5%だった。「よい・好転」の割合から「悪い・悪化」の割合を引いたDIはマイナス65.9になった。 飲食店・宿泊業のDI値が改善するのは2期ぶり。DI値は06年10〜12月期からマイナス65.7、マイナス61.5、マイナス65.8、マイナス65.4、マイナス66.5、マイナス65.9──と低水準で一進一退を繰り返している。 来期(今年4〜6月期)の見通しは今期から0.6ポイント改善のマイナス65.3。 全業種の業況判断DIは3期連続で悪化した。業況を「よい・好転」とする回答が2.5%にとどまり、直近の6期で最低となった。「普通・不変」は27.7%、「悪い・悪化」は69.9%。来期の見通しは今期比1.3ポイント改善のマイナス66.1。 このほか業種別では、製造業がマイナス60.8で前期比2.9ポイント悪化、卸売・小売業がマイナス70.1で同4.3ポイント悪化、サービス業がマイナス67.7で同1.5ポイント悪化。 来期の見通しは、製造業がマイナス63.7で今期比2.9ポイント悪化、卸売・小売業がマイナス70.0で同0.1ポイント改善、サービス業がマイナス61.8で同5.9ポイント改善。
帝国データバンクによると、今年4月の全国企業倒産(負債額1千万円以上の法的整理による倒産)は1013件で、前月比で10.1%減少したものの、前年同月比で24.0%増加した。これで4カ月連続の前年同月比増加となった。負債総額は7254億4100万円で、前月比59.1%、前年同月比22.7%、それぞれ増加した。 倒産件数は同社が集計対象を法的整理のみに変更した05年4月以降で最多となった前月を下回ったが、2カ月連続で1千件を上回った。 帝国データは「倒産件数は確実にベースラインが上昇し、増加基調を強めている」としており、その背景として(1)公共工事削減、脱談合、原料高に苦しむ建設業の倒産が増加(2)原料高による収益性低下が深刻な製造業の倒産が、前年同月比50.0%の大幅増加(3)改正建築基準法関連の倒産が14件発生、07年10月の集計開始からの累計が66件に──などをあげている。 負債総額は05年4月以降で3番目の高水準となった。負債100億円以上の大型倒産が10件発生したほか、負債10億円以上の倒産が05年4月以降で最多となる84件発生した。 倒産の業種別では、建設業(274件、前年同月比41.2%増)、小売業(179件、同29.7%増)など内需関連業種を中心に5業種で前年同月比増加となった。サービス業(175件、同2.8%減)は唯一、前年同月比減少となった。 倒産の規模別では負債1億円未満の中小・零細企業の倒産が585件で全体の約6割を占めた。