政府は6日、2008年版観光白書を閣議決定した。07年度の状況では、国民1人当たりの国内観光旅行の年間宿泊数(暫定値)が、前年度比9.2%減の2.47泊に下がったことが分かった。観光立国推進基本計画に掲げた2010年度の達成目標は4泊だが、宿泊数は2年連続のダウンとなった。 国民の国内宿泊観光旅行は、宿泊数に加えて、年間旅行回数も、前年度比8.3%減の1.54回に落ち込んだ。回数、宿泊数ともに、現在の調査方法を採用した03年度以降で最低の数値となった。05〜07年度の3カ年平均にすると、宿泊数2.69泊、回数は1.66回になる。 宿泊数と旅行回数は、国土交通省の旅行・観光消費動向調査を基に推計され、観光白書の中で暫定値として発表された。調査対象者は全国の1万5千人で、約6千人から回答を得た結果。宿泊観光旅行には、業務旅行や帰省・知人訪問は含まれていない。 観光白書は、国内宿泊観光旅行の減少の背景として、余暇・レジャー活動の多様化、有給休暇取得日数の減少などを挙げている。「限られた余暇を比較的手軽なレジャーに消費するという余暇活動の動向などが考えられるが、既存の調査・統計データからは理由を特定することは困難」(観光白書)。 国交省観光経済課の秋田未樹課長補佐は「あくまで暫定値ではあるが、宿泊日数などがここまで下がった要因については、今後、調査、分析を進めていきたい」と話している。
環境省はこのほど、洞爺湖周辺の眺望に優れた名所を「洞爺湖八景」に選定した。同省は、「北海道洞爺湖サミット開催を機に、洞爺湖地域を訪れる国内外の来訪者に素晴らしい景色を満喫してもらいたい」と話している。 北海道地方環境事務所や洞爺湖町、壮瞥町などがサミットに参加するG8などにちなんで選定した。八景は▽洞爺湖温泉▽壮瞥温泉▽滝之上キャンプ場▽仲洞爺キャンプ場▽財田湖畔▽浮見堂▽月浦展望台▽中島──の8カ所。 これら眺望スポットには、写真撮影の際に場所が特定できるよう案内標識も整備した。 同省では八景のフォトコンテストやウオークラリーなどのイベントも企画している。
今年4月に施行されたエコツーリズム推進法が策定を義務付けている基本方針が6日、閣議決定された。自然環境保全と観光振興の両立による地域の活性化に向けて、エコツーリズムを推進する上での地域関係者のルールづくり、自然環境への影響を継続的に評価するモニタリングの実施などを重要視した。 地域ごとに市町村が策定する全体構想については、自然環境が損なわれないように、自発的、あるいは一定の強制力を持ったルールを設けるように求めた。自然環境の状態を継続的にモニタリングし、専門家の科学的な評価を受けることも重視した。 このほかエコツーリズムの推進にあたっては、他地域からの生物の移動などに遺伝子レベルの配慮が必要だと指摘。里山地域などでは、自然環境の維持管理プログラムの導入で生物多様性の回復も期待した。また、地域の子どもたちの関与が地元への愛着を育むとしたほか、長期宿泊体験や学校教育との連携も求めた。