JTBは12日、宿泊予約サイト「るるぶトラベル」のコーナーサイトとして、JALの国内線と宿を組み合わせて予約できる「るるぶトラベルプラス」を開設した。利用者と旅館・ホテル、航空会社とが直接契約を結ぶ“場貸し”モデルのサイト。出発30分前まで一括で予約可能という利便性をアピールして、間際を中心とした旅行需要を吸収したい考えだ。 1日約950便のJAL国内便と約8万件の宿泊プランから選べる。その日の最安値の組み合わせを提案する機能のほか、レジャー利用での参考になる「モデル日程表」を用意するなど、使いやすさの充実にも努めた。 国内パックツアーの受け付け締め切りの出発10日前を過ぎても予約できることから、「今まで取りきれなかった領域を取り込む」(旭孝彦・JTB旅行事業本部国内DPS事業プロジェクト統括部長)。同様に10日前の、「ANA楽パック」などダイナミックパッケージに対しても優位性を発揮できると見る。 JALからは成果報酬型のシステム利用料を受け取る。今後、ANAなど他の航空会社と組むことも検討している。 今年度の取扱目標額は20億円。
東武鉄道(東京都台東区、根津嘉澄社長)と新東京タワー(東京都墨田区、宮杉欣也社長)は10日、2012年に東京都墨田区で開業を予定する新しいタワーの名称を「東京スカイツリー」に決めたと発表した。最終候補6点の中で最も多い得票数を得たことに基づき決めた。併せて発表したロゴとともに積極的にPRする構えだ。 「新タワーネーミング全国投票」は、4月1日〜5月30日に実施。ウェブ、携帯電話、はがきによる投票で、全国から11万419票が集まった。このうち同タワーの名称に決まった「東京スカイツリー」は、全体の29.8%の3万2699票を獲得。次いで得票の多かった「東京EDOタワー」は28.4%を占める3万1185票を集めており、僅差で決定した形となった。投票者は、男性が53.4%、女性が44.3%。年齢別では、30代が最も多く30.9%を占め、以下20代以下が24.2%、40代が21.6%と続く。 新東京タワーの宮杉社長は、「大変良い名前だ。『大樹』になれるよう、多くの方の支援をいただきたい。我々もこの名に寄せられた期待にこたえ、地元地域はもちろん日本のシンボルとして認知されるようブランド力向上に努めていく」と力強く語った。 ロゴマークは、タワーを木の幹に見立て、日本の伝統色を使ったドットを木の葉のように周囲に散りばめたデザイン。カラフルなドットの各色には「伝統」「エコロジー」などの意味を込めた。 今後周辺地域の商業施設の整備などと並行して、具体的なPR計画を固め、東京スカイツリーのブランド浸透を図る。 名称決定に伴い会社名を変更 新東京タワー 新タワーの名称が東京スカイツリーに決まったのに伴い、東武鉄道が全額出資する同タワーの事業会社・新東京タワーは10日付で社名を変更した。新社名は「東武タワースカイツリー」。
本格的な夏を前に、旅行大手2社はこのほど、上空から花火大会を楽しむツアーを発表した。JTB西日本は世界初の飛行船利用ツアー、KNTはヘリコプターで鑑賞する千円のミニツアーだ。 JTB西日本と日本飛行船は、飛行船遊覧クルーズの第3回として、7月24日〜8月31日(27日間)に東京周遊コースを運航する。従来の遊覧飛行コースのほかに、各地の花火大会を上空から鑑賞できる特別クルージングを設定した。花火を鑑賞するための飛行船遊覧クルーズは世界初という。 特別クルージングでは、約105分のフライトの中で約20分間の花火を鑑賞できる。花火をほぼ同じ高さの飛行船から見られるので、「花火と夜景の美しい風景を楽しめる」と同社。 東京周遊コースで848席の完売を目指す。08年度の運航スケジュールはこのほか、9月6日からと12月14日からの東京周遊コース、11月21日からの関西周遊コースと計4回を予定している。 KNTが13日に発売したのは、上空から花火を鑑賞できるヘリクルージング。同社の国内宿泊企画商品ブランド「メイト」で、宿泊プラン代金に1千円プラスするだけで楽しめる。昨年人気だったことから、今年は対象とする花火大会を増やし、宿泊プラン利用者の拡大を狙う。 花火大会ヘリクルージングは昨年初めて催行。「発売日に完売するほどの人気だった」(ブランド戦略室)ことから、今年は東京を会場にした花火大会に加え、横浜を会場とする花火大会もラインアップ。7月26日開催の隅田川花火大会のほか、7月20日の「横浜開港記念 みなと祭国際花火大会」など4つの花火大会に合わせて催行する。 メイト「ドラマティック東京」「ロマンティック横浜」掲載の宿泊プランを利用し大会当日の宿泊予約をした人を対象とした。4日程合計で先着120人限定で受け付ける。
はとバスはセレブ気分を味わえるツアーを発売した。バスはもちろん、ヘリコプターやクルーズ船にも乗り、食事も仏料理のフルコースを堪能できる。「国内旅行でも少々贅沢な旅をしたいというニーズに応えた」と同社。 ツアー名は「貴方に素敵な贈り物」。出発地は帝国ホテル。コーヒーを飲みながら移動し、その後はヘリによる5分間の体験フライト、東京湾クルージング船・シンフォニーの乗船、六本木ヒルズの東京シティビューからの展望というスケジュール。ランチはマキシム・ド・パリでのフレンチ料理コースを用意。移動には同社の最上級バス、ピアニシモかフォルテシモを充て、高級感をさらに演出する。 同社は「約8時間のツアーの中に贅をつくすプランを集めた」と自信を示す。7〜9月の特定日に運行。代金は大人1万9800円。
日本添乗サービス協会(TCSA、山田隆英会長)は、添乗労働に関する環境改善を派遣先旅行会社に求める行動を開始した。国内日帰り、大会行事の添乗2形態での時間管理に基づく派遣料金の支払いなどを要望する。8日、会員53社に対して取引先の旅行会社すべてに改善要望書を渡すよう指示した。 TCSAとサービス・ツーリズム産業労働組合連合会、日本旅行業協会(JATA)の三者は、添乗労働は原則事業場外のみなし労働だが、「国内日帰り添乗と大会行事にかかわる添乗は時間管理が可能」との見解で一致している。昨年6月、厚生労働省に示した見解だ。しかし、TCSAでは、JATAが会員に時間管理の検討を促したものの、「個々の旅行会社の取り組みは進んでいない」と判断し、今回の統一行動を起こした。 要望書でTCSAは、国内日帰りと大会行事の添乗について「可及的速やかに実時間管理に基づく適正な派遣料金の支払い」を願い出ている。「遅くとも10月1日出発分からはすべての該当ツアーに適用を」と訴える。 併せて要望書では、添乗勤務中の添乗員の法定休憩時間の取得、深夜労働や事前打ち合わせの対価など、TCSAが論じてきた添乗員労働問題の全般にわたって改善を依頼している。