帝国データバンクによると、今年5月のホテル・旅館経営業者の倒産は13件、負債総額は244億8600万円だった。件数、負債とも前月、前年同月を上回り、今年に入り月別で最悪の数字を記録した。 件数は前月比、前年同月比とも5件増。 負債は前月比で127億9400万円、前年同月比で183億8500万円、それぞれ増加した。 1月からの累計は、件数が前年同期比3件増の48件、負債総額が同151億8400万円減(17.8%減)の699億8200万円。
帝国データバンクによると、今年5月の全国企業倒産(集計対象=負債額1千万円以上、法的整理による倒産)は994件で、前月比1.9%、前年同月比2.2%、それぞれ減少した。前年同月を5カ月ぶりに下回ったが、依然として1千件に迫る高水準となっている。負債総額は4810億7300万円で、前月比33.7%減、前年同月比39.7%増だった。 帝国データバンクは「公共工事削減、脱談合、原料高による不振が続き、建設業の倒産が高水準で推移」「改正建築基準法関連の倒産が15件発生、2007年10月の集計開始からの累計が81件に」「国内景気の減速により、ホテル・旅館経営業者などサービス業の倒産が増加」など、倒産件数が高水準にとどまる背景を述べている。 倒産件数を業種別にみると、建設業(271件、前年同月比13.4%増)、サービス業(179件、同1.7%増)、運輸・通信業(37件、同8.8%増)の3業種で前年同月比増加となった。小売業(166件、同13.5%減)、卸売業(158件、同6.5%減)など4業種は前年同月を下回った。 倒産の主因別では、販売不振、売掛金回収難、業界不振など「不況型倒産」が778件で、前月比1.0%、前年同月比1.5%、それぞれ減少した。ただ、倒産全体に占める構成比は78.3%で、前月比0.7ポイント、前年同月比0.5ポイント、それぞれ増加した。 倒産の規模別では、負債1億円未満の中小・零細企業の倒産が602件で、前年同月比1.1%減。倒産全体に占める構成比は60.6%で、4カ月ぶりに60%を上回った。負債10億円以上の中堅クラスの倒産も74件発生し、前年同月比29.8%の大幅増となった。このほか資本金1千万円未満の小規模倒産が356件で前月比21.1%増と高水準で推移している。