7日に開幕する北海道洞爺湖サミットで、日本ホテル協会は、外国首脳に対する接遇に協力する。会員の6社が、料理長、サービス要員など35人を会場のザ・ウィンザーホテル洞爺に派遣。現地入りを控えた6月27日、6社の代表者らが冬柴鐵三国土交通・観光立国担当相を表敬訪問し、おもてなしに全力を尽くすことを約束した。 支援協力は、外務省とウィンザーホテルからの要請を受けて行う。サミットの日本開催で、ホテル協会として会員ホテルのスタッフを派遣するのは初めてのこと。 協力するのは、帝国ホテル、ホテルニューオータニ、ロイヤルパークホテル、ホテルオークラ東京、プリンスホテル、東京ディズニーシー・ホテルミラコスタ。派遣スタッフには首席接伴員4人、料理長4人などが含まれている。 表敬訪問でホテル協会会長の中村裕・ロイヤルパークホテル会長は、「サミットを成功させ、日本に好印象を持ってもらえるよう全力を尽くしたい。そして、この成果をビジット・ジャパン・キャンペーンにもつなげていきたい」と意欲を語った。 冬柴大臣は「オールジャパンの協力態勢をとってもらい、とても感謝している。おもてなしの心で迎えてほしい。料理長も派遣されるそうだが、食の魅力も重要だ。日本の魅力を世界に発信してください」と期待した。 中村会長のほかの表敬訪問メンバーは、小林哲也・帝国ホテル社長、清水肇・ホテルニューオータニ常務・総支配人、小川矩良・ホテルオークラ東京社長、渡辺幸弘・プリンスホテル社長、チャールズ・デービッド・ベスフォード・東京ディズニーシー・ホテルミラコスタ専務。派遣予定の料理長や首席接伴員なども同席した。
日本温泉協会(滝多賀男会長、約1700会員)は6月25日、神奈川県箱根町の湯本富士屋ホテルで今年度の会員総会を開いた。総会には中華民国温泉観光協会(台湾)の一行、約50人が出席、華を添えた。また、会員から地熱発電問題についての緊急提案があり、協会として対応していくことを決めた。 総会には約200会員が出席。冒頭あいさつした滝会長は来年迎える協会創立80周年について触れ、「国際温泉気候連合(FEMTEC)の総会や国際シンポジウムなどを開く。国のVJC事業に貢献するものであり、日本の温泉文化を世界に発信する機会としたい」と強調した。 綿抜邦彦学術部委員長は二酸化炭素(CO2)問題がクローズアップされている現状を踏まえ、「温泉は熱源として非常に貴重だ。資源としての温泉という認識を深め、どう生かしていくかが今後の温泉地の課題」と述べた。 来賓の山口昇士箱根町長は「昨年の観光客数は2026万人となり、10年ぶりに2千万人を超えた。06年9月の『健康都市宣言』を実効あるものにするため、温泉資源を生かす行政を進めたい」と抱負を語った。 今年度は、(1)創立80周年に向けて記念事業の準備に着手する(2)多方面に接点を求め、公益法人制度改革を踏まえた組織強化と財政の健全化を図る(3)天然温泉表示看板の普及とPRにまい進し、温泉の適正表示を社会に浸透させる──の3つを重点目標に掲げ、新入会員の拡充(20会員以上)、会員専用メールマガジンの創刊に向けた検討、温泉排水についての報告書作成などに取り組む。 創立80周年の記念事業については、来年11月に横浜市と箱根町でFEMTEC総会を開き、同月をめどに記念誌を刊行する計画だ。 総会では草津温泉の宮崎謹一常務理事が緊急提案を行った。同氏はCO2削減運動の高まりや最近の原油高などから、自治体や電力会社が地熱発電、特に地熱バイナリー発電に注目していることを懸念。「従来の地熱蒸気発電より低温度の熱水を利用できるため、今まで以上に発電可能な地域が多くなり、一層温泉地域は脅かされることになる」と指摘し、協会としての対応を求め、協会も地熱対策委員会で検討することを決めた。 総会ではまた、大野英市理事と大高秀三監事の死去に伴う役員の補充を行い、理事に遠藤淳一(福島県高湯温泉吾妻屋)、監事に金本敏男(公認会計士)の両氏をそれぞれ選任した。 滝会長に 記念皿贈呈 徐理事長 日本温泉協会の会員総会に出席した中華民国温泉観光協会理事長の徐亨氏は台湾の温泉事業について「(旅館経営や温泉開発などの)総売り上げは08年に322億元に達し、温泉に関する商品は300億元に達している」と述べるとともに、台湾温泉協会のロゴマークを刻んだ記念皿を滝会長に贈った。滝会長は箱根の伝統工芸品、木象嵌を贈った。
日本観光旅館連盟(佐久間進会長)は1日、ホームページ(HP)「日観連やど日本」(http://www.nikkanren.or.jp)をリニューアルした。約4千の会員施設を紹介するページを充実させ、設備やサービスなどを詳細に掲載した。キーワードによる検索機能も強化した。 やど日本が従来から持つダイレクト宿泊予約機能の利用を促進するとともに、各施設のオリジナルHPへの誘導などを通じて会員施設の集客に貢献させたい考えだ。 HP閲覧者は、希望する設備やサービスを選択して検索すれば、リクエストにかなう宿を絞り込める。地図、施設名、観光地名、市区町村名からの検索に加え、「こだわりで探す」という検索バーを設け、(1)ペット対応(2)バリアフリー対応(3)エコ対応(4)外国語対応──などに該当する宿を見つけられるようにした。
ホテル清風苑(新潟県月岡温泉)の「平安亭」の客室がこのほど、新しくなった。「快適・清潔・安全・地球環境への配慮」をコンセプトに設備投資を実施。空気を洗う効果がある壁紙や天然健康塗料を使うなど、「人と地球に優しい」施設を目指した。 採用した客室壁紙は、壁紙自体が空気を洗う効果を持つもので、この壁紙で二酸化炭素の削減も目指している。また建物屋上の緑地化も進め、同施設での二酸化炭素削減も目指した。 国産無垢材や薬物処理されていない天然健康塗料を採用した「ピュア仕様」(株式会社ナレッジライフが提案する、安全性が確認できる国産材と厳選した自然素材を使った仕様)の客室、プライバシーを重視したダイニング付き客室も設置した。 テレビや冷蔵庫など客室家電は省エネ達成率が高く、環境に優しい製品を導入した。 このほか3、4階を禁煙フロア「湯美人倶楽部」として、近年増えているタバコが苦手な人のニーズに対応した。
高級旅館予約サイト「らくだ倶楽部」運営のファーストキャメル(東京都渋谷区)はリゾートホテルとの契約を加速する。現在の37軒を来年12月までに100軒に増やす。 同サイトに掲載中の宿泊施設は6月末現在で347軒。そのうちリゾートホテルは1割強に過ぎない。ただ、箱根冨士屋ホテルが同サイトの予約実績ランキング1位となるなど、リゾートホテルの人気は高い。またホテル側からの契約希望も多いことから大幅に拡充することにした。 同サイトは07年6月の開設。宿泊予約サイトとしては後発だが、高級宿泊施設に特化し、全予約の3割を電話で受け付ける独自のビジネスモデルで実績を伸ばしている。 契約宿泊施設総数はサイト開設以来、毎月約20軒ずつ増えており、「8月までに400軒、12月までに500軒、来年12月までに800軒に増やしたい」(同社、西宣明部長)。 サイト開設から今年3月末までの取扱額実績は11.7億円。09年3月末での年間目標は23億円を掲げている。