JTBが4日に発表した夏休み(7月15日〜8月31日)の宿泊旅行動向の見通しによると、国内旅行は経済の先行き不安感などの影響で前年比0.9%減の7350万人となる予測。前年を下回るのは4年振り。一方、海外旅行は、経済不安などに燃油サーチャージの高騰も加わり、2年連続で前年を下回る7.0%減の225万人となる模様だ。 国内海外とも旅行者数は減少の予測。しかし、「アンケートで『旅行に行く』『たぶん行く』と答えた人の約25%は出発日をまだ決めていないことから、今後の社会経済状況の変化や天候、旅行会社のプロモーション活動次第で大きく増減することが予想される」と同社では見る。 国内旅行の平均費用は、物価高の影響を受け、また、北海道や東北などの遠距離旅行も伸び悩んでいることから、1.1%減の3万5800円の見込み。 注目のトピックスは、4月15日から25周年イベントを開催している東京ディズニーリゾート。7月8日には「東京ディズニーランドホテル」もグランドオープンし、例年以上に盛り上がりそうだという。 夏の主役はやはり家族客。大自然の中で夏休みならではの体験を楽しむ旅行が好調だ。 海外旅行平均費用は、海外のホテルの実勢価格が上昇していることなどから、3.4%増の24万円になる見込み。
JTBは7日、持続的な交流と魅力の創出で地域の活性化に寄与することを目的とする第4回「JTB交流文化賞」の募集を開始した。観光地の組織、団体を対象とした「交流文化賞」と一般旅行者対象の「交流文化体験賞」の2部門で優秀な作品を表彰するもの。 交流文化賞は、旅行者を受け入れる地域として地域固有の魅力の創出、需要の創造、地域活性化、双方向の文化交流など、持続可能な観光を創造したオリジナリティある取り組み事例を募集。観光振興・地域活性化の貢献度を審査基準とし、最優秀賞1作品に賞金100万円、優秀賞2作品に賞金50万円を贈る。 交流文化体験賞では、旅行者が実際に体験した人、地域、文化との交流を題材にした体験記を募る。最優秀賞1件に賞金20万円、優秀賞2件に賞金10万円を贈る。 締め切りは10月31日。問い合わせ先はJTB交流文化賞事務局(TEL03・5299・4005)。 第3回の交流文化賞最優秀賞にはNPO法人ハットウ・オンパク「『ハットウ・オンパク』を通じた地域資源開発と町づくり」が選ばれた。
日本旅行は7日、同社ホームページで「5つ星の宿」特集(http://www.nta.co.jp/kokunai/yado/fivestars/)を始めた=写真。観光経済新聞社が認定した「5つ星の宿」を中心に全国115軒を紹介、販売している。全国を北海道、東北、関東など9地区に分類。地区別にトップページを設け、掲載旅館を一覧できるようにした。 1コマごとに旅館名、写真、温泉地名、5つ星の宿への入選回数を表記。各コマからは募集型企画旅行「赤い風船」の施設紹介と宿泊プランの予約ページへとリンクしており、宿の即時検索と予約ができる。 日本旅行社員など旅のプロ達の投票で毎年決まる5つ星の宿をホームページ上で紹介することで、赤い風船の販売拡大をねらう。導線を強化するため、同特集へは日本旅行のトップぺージからもリンクを設けた。 5つ星の宿は観光経済新聞社の登録商標。毎年1回行う旅のプロ達による宿の人気投票「人気温泉旅館ホテル250選」に5回以上入選した宿を5つ星の宿に認定している。5つ星の認定は年度ごとに実施。過去に5回以上の入選実績があっても、その年に250選に選ばれなければ同年は5つ星の宿にならない仕組み。
日本旅行の代表取締役社長に2日就任した丸尾和明氏(前JR西日本副社長)は同日、国土交通省で記者会見を開き、「業界を取り巻く環境は厳しいが、『選択と集中』で成長分野に経営資源をシフトする新中期経営計画をしっかり推し進めたい」と就任の抱負を語った。旅館など関係機関とのかかわりについては「ともにうまくいくウイン・ウインの関係が必要だ」と述べた。 日本旅行の新中期経営計画は今年から3カ年の設定。インターネット販売、BTM(ビジネス・トラベル・マネジメント)、特定マーケットなど成長分野に経営資源をシフトし、販売拡大を図るとしている。 丸尾新社長はこの新中計を推し進めるとともに、親会社で自身が副社長を務めたJR西日本との連携強化、明るく活力ある企業の創出などを重点課題に掲げた。 代表取締役会長に就任した金井耿氏は「01年10月の社長就任以来、9.11問題や近畿日本ツーリストとの統合問題があり、波乱の中の6年9カ月だった」と回顧。丸尾新社長に対しては「日本旅行が置かれた状況をよく理解されている。営業に関しては旅行業と鉄道業は共通する部分があり、適任の人を迎え入れたと思う」と述べた。
鉄道旅客協会は1日までに、加盟旅行業12社の今年5月の取扱額をまとめた。それによると、総取扱額は前年同月並みの2966億3625万円で、前年を上回ったのは東武トラベル(10.8%増)、JTB(3%増)など5社あった。 国内旅行は1.5%減の1789億3890万円にとどまった。前年比増は4社にすぎず、ゴールデンウイークとはいえ、期待するほど客足は伸びなかったようだ。そんな中にあって、東武の好調さが目立つ。 景気の冷え込みなどで苦戦が予想された海外旅行だが、前年並みの1094億559万円を確保した。企業によって明暗が分かれ、7%増の企業がある一方、2ケタ減を強いられたところも3社あった。 外人旅行は27.2%増の57億3343万円となり、久しぶりの2ケタ増を記録。特に西鉄旅行が大幅に取り扱いを増やした。 この結果、今年4月からの累計は総取扱額で前年同期比2.3%減の5526億33万円となった。この時点で前年実績を上回っているのは読売旅行やトップツアーなど4社。うち、国内旅行は1.6%減の3354億2433万円、海外旅行は5.3%減の2007億213万円、外人旅行は25.4%増の124億1670万円。
近畿日本ツーリスト(KNT)元社長で現相談役の田平英二氏(たびら・えいじ)が5日7時27分、心不全のため、東京都内の病院で死去した。74歳だった。葬儀・告別式は9日10時から、横浜市港北区の新横浜総合斎場で、田平家と近ツーの合同葬としてしめやかに執り行われた。喪主は妻のたま栄さん。 田平氏はツーリストサービス社長を経て、97年3月に近ツー社長に就任。非常勤取締役を経て、01年3月から相談役。 99年8月にはアサヒビール、トヨタ自動車、松下電器産業、花王などと異業種合同プロジェクト「Will」をスタートさせ、社会的な注目を浴びた。