着地型観光素材を扱うウェブサイト「旅の発見」を運営するティー・ゲート(東京都千代田区、岩橋伸行社長)は5〜7日、山梨県富士河口湖町で、着地型観光素材の堀り起こしや旅行プラン化、販売などを行う「余暇ナビゲーター(余暇ナビ)」の第1回養成講座を開いた。観光を通した地域振興の担い手づくりを図るもの。自治体で観光振興に携わる人のほか、県会議員や農業従事者など約20人を対象に、旅行商品の作り方を指導、講座修了者を余暇ナビに認定した。同社では今後余暇ナビによる着地型旅行商品の造成と情報発信の支援を進める考えだ。 3日間の日程で行われた養成講座で参加者は、旅行商品の造成に必要な原価計算や行程管理などを学んだ上で、それぞれ紹介したい地域資源などを盛り込んだツアー作りに取り組んだ。出来上がったプランはソバ打ちや郷土芸能体験などを盛り込んだツアーのほか、アウトドア体験を通し家族のきずなを再確認するツアーなど。プランの発表会も行い、各プランの問題点などについて学んだ。 このほか講座では、和歌山大学の大澤健准教授が観光の理念や地域に与える影響などについて、大阪観光大学の尾家建生教授が観光に関するマーケティングについてそれぞれ講義を行った。 今回認定を受けた余暇ナビは、同社の運営する「余暇ナビフォーラム」において、観光動向情報の提供や旅行商品作りのためのサポートを受けられる。同社の岩橋社長は、「地方の素材を発信しようという(今回修了した)余暇ナビ同士や余暇ナビとわれわれのネットワークが構築できたのは大きな成果」と話し、今回認定した余暇ナビの人的ネットワークを生かした地域観光振興の活性化に意欲を示した。同社では今後、余暇ナビ同士の情報交換の場を充実させていく予定だ。 ティーゲートでは今年、9月に東京で開催する養成講座を含め、今後2回の養成講座を実施する。大学や地方自治体の求めに応じて養成講座を提供する予定もあり、余暇ナビゲーターによる地域情報の発信の支援を進めていく。
日本旅行業協会(JATA)は7日、新理事長に元国土交通省国土交通審議官の柴田耕介氏を選任した。9日、東京・霞ヶ関のJATA本部で着任の会見を行った柴田理事長は「観光立国推進の動きにそって日本の観光をもっと豊かで楽しめるものにしていく必要がある。その中で、旅行業の人々が担うべき役割は大きい」とJATAの意義と方向性を語った。 理事長として一番に取り組む課題は、インバウンドが順調に伸びていることから、アウトバウンドと国内観光の振興だと発言。国内観光振興策について柴田理事長は、JATAでは宿泊拡大事業を推進中と述べたうえで、「皆が旅をしたいと思う雰囲気を作ることが大事だ。安全、安心だけでなく、もう一歩前に進んで『楽しもうよ』という雰囲気を作りたい」と自身の考えを示した。
カンタスグループの格安航空会社であるジェットスター航空(オーストラリア・メルボルン)は12月8日から成田〜オーストラリア線の運航を始める。成田とケアンズ、シドニー、ゴールドコーストの各地を結ぶもの。このうち日本からゴールドコーストへの直行便が定期運航するのは初めて。低価格の航空便を提供することにより、旅行需要の喚起と獲得を図る。 新たに就航するのは、ケアンズ線が週7便、ゴールドコースト、シドニーの各線が週5便。運賃はケアンズ線が片道2万円からと抑えた。実際の渡航にはこのほか、燃油サーチャージや空港使用料など合計3万円程度が必要となる。 14日、東京都内で会見したブルース・ブキャナン・同社グループ・ジェネラル・マネージャー・コマーシャルは、「高レベルのサービスと安全なフライトを低価格で提供することで、市場を活性化したい」と意欲を見せた。会見には同社イメージキャラクターのタレント、ベッキーさん=写真=も登場。運賃について「びっくりする安さ。みんなに利用してもらいたい」とアピールした。 ジェットスターは07年に日本に参入。現在は大阪、名古屋とオーストラリア各地を結ぶ路線を運航している。
JTB中部は、今夏の東海地方(愛知、三重、岐阜、静岡)の旅行動向を発表した。夏休み(7月15日〜8月31日)に1泊以上の旅行に出かける人は、アンケートによると東海地方は全国平均の33.8%を3.4ポイント上回る37.6%。しかし、前年比では0.4ポイント減。旅行支出を減らしたいという人も増加した。「旅行意向は全国に比べ高く維持されているものの、お金のやりくりには厳しくなっている」と同社。 国内旅行人数は、ガソリン代の高騰、経済の先行き不安などの影響で前年比0.7%減となる見込み。エースの販売状況から人気の旅行先を見ると、(1)25周年の東京ディズニーリゾートなど東京近郊(2)サミットで注目された北海道(3)ファミリーに支持される沖縄──。東海北陸自動車道が全通し、マイカー旅行商品が発売された北陸も前年を上回っている。 海外旅行人数は7.0%減。昨年好調だった中国が大きく落ち込み、燃油サーチャージの高騰も影響もしている。
京成電鉄と東京メトロは18日から、成田空港駅と空港第2ビル駅の乗車券発売カウンターで、訪日外国人旅行者を対象にした企画乗車券を発売する。 この乗車券は「スカイライナー&メトロパス」で、空港の2駅と京成上野駅までのスカイライナー引換券と、東京メトロの1日券または2日券をセットにした。パスポートを確認した上で発売する。 価格は1日券のセットが2100円、2日券が2480円。1日券セットを購入した場合、スカイライナーとメトロ1日乗車券を別々に購入するよりも「530円安くなる」(京成)という。
国土交通省がこのほど発表した今年5月の主要旅行業者63社の旅行取扱状況(速報)は、総取扱額が前年同月比1.4%増の5440億1447万円で3カ月ぶりに前年実績を超えた。このうち国内旅行は同1.1%増の3291億3909万円。海外旅行は同1.3%増の2087億6443万円。外国人旅行は同25.9%増の61億1095万円と好調。 国内旅行は2カ月ぶりの前年超え。阪急交通社(前年比7.0%増)、ANAセールス(同3.0%増)、ジャルツアーズ(同10.2%増)などが好調だが、63社中30社が前年割れした。 海外旅行は、ゴールデンウイークの日並びの良さから3カ月ぶりに前年実績を超えたが、63社中32社が前年割れ。 外国人旅行は2カ月連続で前年実績を超えた。「特に韓国、台湾からの訪日客の伸びが大きい」。 旅行商品ブランドの総取扱額は前年同月比1.4%増の1394億7202万円。このうち国内旅行は同4.0%増の791億6709万円、海外旅行は同1.9%減の600億2758万円、外国人旅行は同5.5%増の2億7735万円。総取扱人数は同2.0%増の346万6126人。国内旅行は同2.7%増の312万496人、海外旅行は同4.2%減の33万711人、外国人旅行は同6.7%増の1万4919人。