東京商工会議所はこのほど、「外国人旅行者の受け入れ態勢整備に関する要望」を東京都に提出した。観光情報センターの設置場所の見直しや観光ガイドの育成など、ハード・ソフト両面から資源の整備を行うことを求めるとともに、東京にゆかりのある文化人らを観光大使に任命し、セールス活動に生かすべきだとしている。 要望書は、観光委員会(委員長・林有厚東京ドーム社長)がとりまとめた。 ハード面については、東京観光情報センターをJR東京駅や品川駅といった公共交通機関の主要駅、交通結節点など旅行者が利用しやすい場所へ設置するよう、柔軟な対応を求めた。また、産業観光の振興にも言及。ものづくりの拠点である大田区の工業技術を発信するなど、点在する地場産業を企業関係者の視察団や訪日教育旅行で訪れてもらえるようなルート整備を含めた仕組み作りを提案した。 ソフト面では(1)観光ボランティアの活用など人材の育成(2)海外からの教育旅行受け入れ態勢の構築(3)外国人旅行者に対する防災情報、危機管理情報提供への取り組み──などを要望。 そのほか、都が進めているオリンピック招致に関連し、世界で活躍する東京出身か東京にゆかりのある文化人、スポーツマン、経済人らを「東京観光大使」(仮称)として任命し、内外に対する積極的な観光PRも求めた。
日本旅行業協会(JATA)と韓国観光公社は16日、今年下期の訪韓日本人渡航者を125万人(前年同期比10万人増)にするための覚書を締結した。海外旅行の活性化を目的にビジット・ワールド・キャンペーン(VWC)を推進しているJATAと、日本人旅行者を増やしたい同公社が、訪韓ツアー商品の企画や販売で連携していく。 覚書の内容は、今年が日韓観光交流年にあたることを踏まえ、(1)JATAは、VWCの一環として、今年下期の訪韓日本人観光客の増加に向け、旅行商品の開発、企業・団体の誘致、青少年の相互交流を図る(2)韓国観光公社は、JATAとその会員に向け、各種事業の促進、支援を行う──。 JATAの金井耿会長は「VWCを推進する中で最も重要なことの1つが日韓交流の拡大。覚書を踏まえた取り組みを起爆剤に相互交流を深めたい」、同公社の呉志哲社長も「両国にとってお互いが重要な市場。双方の旅行業界の取り組みに期待したい」と述べた。 韓国・文化体育観光部の柳仁村長官のあいさつは、金哲民・国際観光課長が代読、「訪韓日本人はここ数年、若干減っているが、日本のVWCを応援し、日韓の人的交流の拡大させたい」とのメッセージを寄せた。 訪韓日本人数は2005年から前年割れが続いている。昨年は前年比4.4%減の224万人。これに対し訪日韓国人は2ケタ増が続いており、昨年は22.8%増の260万人だった。 交流拡大を確認 韓国観光の夕べ 韓国政府と韓国観光公社が主催する「韓国文化観光の夕べ」が16日、東京都港区のザ・プリンスパークタワー東京で開かれた。国土交通省や旅行会社、観光関係団体などから約250人が出席。国交省からは、冬柴鐵三国土交通・観光立国担当相が出席し、両国の観光交流の重要性を訴えた。 政務の関係で急きょ欠席した韓国の柳・文化体育観光部長官に代わり、韓国観光公社の呉社長があいさつ。呉社長は「韓日観光交流年の今年は、500万人の相互交流を実現したい。文化、スポーツ、青少年、地方都市間の交流に力を入れる。燃油価格の高騰などマイナス要因がある中、隣国同士の観光交流の拡大こそが重要だ」と訴えた。 冬柴大臣は、朝鮮通信使や儒学者の渡航など日韓交流の歴史に触れた上で、「観光交流、草の根交流こそが、両国の友好親善の基礎であり、平和の基礎だ。昨年は訪日韓国人数が、訪韓日本人数を上回ったが、この夕べを成功させ、多くの日本人に韓国を訪れてもらいたい」と述べた。 文化観光の夕べでは、韓国の新たな観光魅力が映像を交えて紹介された。健康をテーマにした医療観光、仏教寺院を回る巡礼コースなどのほか、下半期の各種イベントなどがPRされた。