インターネットの存在感がますます増している。コンサルタントのリョケンはこのほど、全国の旅館を対象に、ネット予約に関するアンケート調査を実施した。それによると、宿泊客全体に占める宿泊予約サイトからの予約の割合は平均9%、自館ホームページからの予約の割合は平均5%──にのぼることなどが分かった。 調査は今年5月14〜25日、全国708軒の旅館に行った。回答数は61軒で、回答率8.6%。回答旅館の客室数平均は67.8室、収容人員平均は331.2人。 登録している宿泊予約サイトからどれぐらいの送客があるかを聞いたところ、年間宿泊客数に占める割合は平均9.02%だった。送客実績が最も多い旅館は49.7%。半数の客がネットエージェントからで占められている。「1組あたりの人数が少ない宿泊予約サイトからの人数ベース実績が全体の約1割あるということは、かなり多いといえる」(リョケン)。なお、宿泊予約サイトからの1件あたりの宿泊客数は平均2.62人だった。 ネットエージェントからの送客割合は、5%超〜10%と10%超〜15%が最も多く、それぞれ25.6%の旅館が回答した。この2つで回答者全体の半数以上を占めることになる。 全宿泊客数に占める自館のホームページからの予約の割合は、平均5.16%だった。最も多い旅館は35.4%。この旅館は宿泊予約サイトからの送客比率も最も高く、ネット予約だけで全体の85%を占めている。 宿泊客全体に占める自館のホームページからの予約の割合は、旅館によってバラツキがみられる。「営業方針の違いが結果に現れているといえる」(リョケン)。 ネットエージェントと自館のホームページを合わせた「ネット予約」からの宿泊客実績は、平均14.2%になった。 主な宿泊予約サイトの登録状況をみると、「じゃらんnet」が最も多く、回答旅館の98.3%が登録している。3年前の同調査に比べて14.4ポイント増えた。以下、「楽天トラベル」81.7%、「JTB」75.0%、「宿ぷらざ」66.7%、「るるぶトラベル」63.3%、「ステイプラス」50.0%、「ぐるなびトラベル」46.7%、「knt!」41.7%──など。 1軒あたりの宿泊予約サイト登録数は平均7サイトとなった。 客室在庫管理システムを導入している旅館は53.4%。導入しているシステムは「らくじゃん」と「手間いらず」で83.9%を占めた。 自館オリジナルのホームページから直接予約ができる旅館は93.1%で、ほとんどの旅館のホームページで予約可能となっている。 使用している予約方法は「予約システム」が67.9%と最も多い。予約メール方式などを使用して、自社が独自で構築している旅館は28.3%あった。使用している予約システムは「ルームバンク」「ダイレクトイン」「予約番」が多い。
帝国データバンクによると、今年上半期(1〜6月)のホテル・旅館経営業者の倒産は62件で、前年同期比で13件増加した。負債総額は761億1400万円で、同185億5300万円増加した。厳しい経済情勢を反映して、件数、負債総額とも高水準で推移している。 昨年上半期で10件以上の倒産があった月は3、4月の計2回だが、今年上半期は3、5、6月と3回に増えている。 負債総額が100億円以上の月も、昨年上半期は3、4月の2回だったが、今年上半期は1、3、4、5月の4回と数を増やしている。 件数増、負債は減 6月単月 6月単月のホテル・旅館経営業者の倒産は14件で、前年同月比10件増加した。負債総額は61億3200万円で、同33億6900万円減少した。