JRグループ6社と航空各社のお盆期間中(8〜17日)の旅客予約状況が1日発表された。JR6社の新幹線や在来線特急など指定席の予約状況は前年同期比2〜10%増と軒並み好調。一方で各航空会社の国内便座席の予約状況は、大手2社はほぼ前年並みだったものの、その他の航空会社ではスカイマークが同26.9%減など予約状況が昨年を大きく下回るところも目立つ。鉄道の好調の一方で、航空便は苦戦しているようだ。 ■鉄道 新幹線のうち、JR東日本管内の東北、上越、長野、秋田、山形の各新幹線の予約状況は、前年同期比6%増の95万席。特に上越(同13%増)、長野(同12%増)の各新幹線の伸びが目立つ。JR東海管内では東海道・山陽新幹線は137万席で同4%増。JR西日本管内では山陽新幹線の予約数は同7%増の79万5千席で、特に関西地区発の山陽新幹線が同13%と大きく伸ばしている。九州新幹線は、12万4千席で前年並み。 指定席の予約状況は、JR北海道が同2.7%増の11万席。特に本州方面発着夜行列車(同8%増)、函館発着路線(同7%増)が伸ばしている。JR東日本は同3%増の45万席。総じて好調のなかで、成田エクスプレスは同9%減と低調。JR東海は、名古屋駅発着特急が同2%増の9万席となっている。JR西日本管内では、同2%増の23万1千席。JR四国は同10%増の5万5千席と好調。JR九州も同5.0%増の41万4千席と伸ばしている。 ■航空便 国内航空便の予約数は、ANAグループは前年同期比0.6%減の146万7千人。28日前までの予約に適用される割引運賃「旅割」が好調で、同282.7%増の18万8千人が予約している。方面別では中・四国(同2.9%増)、九州(同0.8%増)、沖縄(同4.4%増)が前年実績を超える状況。北海道(同3.7%減)、東北・北陸(同6.0%減)は伸び悩んでいる。 JALグループは同0.1%増の142万1千人。方面別では北海道(同0.9%増)、沖縄(同7.0%増)が好調。東北・北陸は、同2.2%減とANA同様苦戦している。九州(同5.7%減)も低調な状況。 エア・ドゥは、同6.0%減の5万席。上下便別では北海道発便が同12.3%減と低調な一方で、北海道着便は同0.4%と前年を超えた。路線別では、旭川便(同28.2%減)、函館便(同5.0%減)、女満別便(同14.9%減)が大きく前年を割り込む一方で、札幌便(同3.3%増)は伸ばしている。 スカイマークは、路線廃止や減便により提供座席数が同21.8%減少したものの、予約率は同4.9%減の70.0%と大きな変化はない。予約数は同26.8%減の8万3千席。方面別では札幌便(同54.2%減)、那覇便(同31.5%減)の落ち込みが目立つ。 スターフライヤーの予約数は、2万4千席。路線別では北九州便が同5.6%減となっている。 スカイネットアジア航空は、同1.1%増の3万3千席。路線別では熊本便(同28.0%減)、長崎便(同27.4%減)と前年を大きく割り込んでいる。
来年3月に開港する富士山静岡空港を拠点とするフジドリームエアラインズ(FDA、静岡市、鈴木与平社長)はこのほど、就航先として、小松(石川県)、熊本、鹿児島の3空港に決めたと発表した。来年夏をめどに運航を開始する。 FDAは静岡を基点に物流サービスを展開する鈴与全額出資の地域航空会社。機材はブラジル・エンブラエル社のERJ170型(76席)2機を使用し、同空港から朝夕に小松(1日2便)日中に熊本、鹿児島を往復する(1日1便)。 機材は毎年1機ずつ増やし、12年度に5機体制とする。初年度(9カ月間)の旅客数は11万人、約27億円の売り上げを見込む。今後は羽田や成田への就航を目指すとともに、11年度には近距離国際線を開設する方針だ。
JR北海道とJTB北海道、日本旅行北海道、KNTの4社は9月1日から、登別温泉を拠点に洞爺湖を周遊するバスを共同運行する。サミット後の洞爺湖を盛り上げるのが狙い。 「登別・洞爺湖周遊バス」は同日から11月3日までの土・休日と、9月22日、10月14〜17日に運行する。4社が近く発売する専用旅行商品で申し込む。 JR登別駅を出発し、地獄谷、昭和新山・有珠山、洞爺駅、室蘭駅などを経て、登別温泉の各宿泊施設まで運転する。
リクルートはこのほど、国内の宿泊旅行の実態を探った「じゃらん宿泊旅行調査2008」の結果を発表した。昨年度(07年4月〜08年3月)の延べ宿泊旅行者数、延べ宿泊数は、いずれも前年度からわずかに増えた。1年間に宿泊旅行を行った人の割合を示す宿泊旅行実施率は2年連続で減少したが、実施した人の旅行回数が伸びた。旅行形態では近年、子連れの家族旅行が減少傾向にある。 今年で4回目を迎えたリクルートのじゃらんリサーチセンターによる調査。出張、帰省、修学旅行などを除いた観光目的の宿泊旅行の動向を調べている。全国の20〜79歳の男女が対象で、今回調査は約1万4千人の回答を集計した。 延べ宿泊旅行者数は0.9%増の約1億7500万人、延べ宿泊数は1.0%増の約2億9600万泊となり、ともに前年度からやや増加した。宿泊旅行実施率は0.9ポイント減の63.8%とダウンしたが、実施者の年間平均旅行回数が2.77回から2.83回に増加したため、延べ旅行者数、延べ泊数が微増となった。実施者の旅行1回当たりの平均宿泊数は1.69泊だった。 延べ宿泊旅行者数を年代別の構成比でみると、50歳以上が1.0ポイント減の53.3%。35〜49歳は1.7ポイント増の22.9%。20〜34歳の構成比は23.8%で前年度から0.7ポイント減少した。 宿泊旅行の形態では、子連れ家族旅行の構成比が、前年度比0.2ポイント減の16.1%、3年前と比べると2.8ポイント減となり、減少傾向が続いている。その一方で1人旅は12.0%を占め、3年前から1.5ポイント増と増加傾向にある。 子連れ旅行の減少について、じゃらんリサーチセンターの石榑智晃研究員は「身近なレジャーやテレビゲームなどの影響を受けているとも考えられる。子ども時代に旅行を楽しむ意識が育たないと将来の動向にも影響する。家族旅行をいかに活性化させるかが、宿泊旅行の重要な課題だ」と指摘している。 また、宿泊旅行の宿泊料金タイプの構成比は、1泊2食付きが0.5ポイント減の56.0%だった。主流ではあるが、2年前と比べると1.8ポイント減となった。これに対して、1泊朝食付きは26.9%で2年前と比べて1.5ポイント増、素泊まりも15.7%で2年前より0.6ポイント増えており、1泊2食付き以外の料金タイプが微増傾向にあることがうかがえる。
鉄道旅客協会は4日までに、加盟旅行業12社の今年6月の取扱額をまとめた。それによると、総取扱額は前年同月比2.7%減の3006億270万円で、前年を上回ったのは名鉄観光サービス(17.5%増)と西鉄旅行(3.2%増)の2社のみ。 国内旅行は3.5%減の1752億7592万円にとどまった。前年実績を確保したのはJTB1社にすぎず、ゴールデンウイーク後とはいえ、低調に推移した。 海外旅行は4.4%減の1170億2423億円となった。前年実績を上回ったのは西鉄と日本旅行。2ケタ減の業者もある中、西鉄の2ケタ増が目立つ。 不振にあえぐ国内、海外に比べ好調なのが外人旅行。23.9%増の45億5830万円と5月に続いて2ケタ増を記録。東武トラベル、トップツアー、名鉄が扱いを大きく伸ばした。 この結果、今年4月からの累計は総取扱額で前年同期比2.4%減の8531億8767万円となった。この時点で前年実績を超えているのは、名鉄と読売旅行の2社のみ。 部門別に見ると、国内旅行は2.3%減の5113億241万円、海外旅行は4.9%減の3171億896万円、外人旅行は25%増の169億7488万円となっている。