国民生活金融公庫はこのほど、旅館など生活衛生関係営業の景気動向等調査の、今年4〜6月期の結果を公表した。それによると、全業種の売上、採算、業況の各DI(増加・黒字・好転とする企業割合から、減少・赤字・悪化とする企業割合を引いた値)はそれぞれ前年同期から低下し、4〜6月期としては平成15年以来の低水準となった。同公庫では「生活衛生関係営業の景況は、後退傾向がみられる」としている。 調査は6月上旬、ホテル・旅館業、飲食業、理容業など生活衛生関係営業3220企業に個別訪問面接方式で行った。 売上DIは前期から1.9上昇してマイナス34.4になったが、前年同期比では13.2と大幅に下回った。前年同期を下回ったのは4期連続。来期の見通しはマイナス28.3で、今期比6.1の上昇。業種別では、ホテル・旅館業が前期比微減のマイナス28.4になった。 採算DIは前期比5.9上昇のマイナス11.8になったが、前年同期比では8.4下回った。前年同期を下回ったのは3期連続。このうちホテル・旅館業は前期比微減のマイナス20.5になった。 業況DIは前期比12.6上昇のマイナス33.0になった。ただ、例年4〜6月期は前期比で大幅に上昇がみられるのに対して、今期はわずかな上昇にとどまった。前年同期比では15.7下回り、4期連続で前年同期を下回った。このうちホテル・旅館業は前期比で20近い上昇のマイナス23.7。 ホテル・旅館業の特徴的な業況判断理由は次の通り。 【今期・悪化】 道路特定財源の税収が一時的に廃止され、道路整備の仕事が中止になったため、4月は工事関連の宿泊客が50%以下と大幅に減少している。5月以降もこの傾向が続いており、当分回復の兆しが見えない(岐阜県)。 【来期見通し・好転】 奈良が世界遺産に登録されてから観光客が増え、特に外国人の観光客が年々増加傾向にある。なかでも、夏場はバケーションで長期滞在する外国人が増える見込みであり、増収が期待できる(奈良県)。 【来期見通し・不変】 5月の連休までは好調だったが連休後は悪化し、宿泊客数が大幅に減少している。前年同期に比べると好調だが、前期比では悪化の気配である。特に諸物価の値上げで、今後の旅行マインドの低下が懸念される(石川県)。 【来期見通し・悪化】 ガソリン高騰等の影響で節約ムードが蔓延しだし、夏休みを控えた6月の宿泊客の予約が落ち込むなど、その兆しが現れ出している。来期は北京オリンピック開催の影響が重なり、宿泊客の減少が懸念される(愛媛県)。
環境省と日本旅行業協会(JATA)は9月20日、東京ビッグサイトでエコツーリズムフォーラムを開く。「地域のエコツアー商品をいかに流通させるか」をテーマに、講演やパネルディスカッションを行う。 フォーラムでは「エコツアーの現場から」と題し、知床ネイチャーオフィス代表の松田光輝氏と南信州観光公社取締役支配人の高橋充氏が、採算性を踏まえたエコツアーの取り組みを紹介する予定だ。 また、パネルディスカッションでは松田、高橋両氏に加え、JTB旅行事業本部地域交流ビジネス担当部長の加藤誠氏、稲取温泉観光協会専務理事の渡辺法子さんらがそれぞれの立場から意見を述べる。