国土交通省は27日、来年度観光庁予算の概算要求を発表した。総額は76億8400万円。今年度当初予算比で21%増、要求額で比較すると6%減だった。国際観光振興機構の運営費交付金などを除く、各種施策に充てる事業費は今年度当初予算比33%増の53億3100万円とした。観光圏の整備事業費には、今年度予算の約2.3倍にあたる6億3千万円を要求した。 滞在型観光を促進する観光圏の整備事業では、今年度からの継続分に加え、新規に10数カ所の地域を支援する。観光圏に対しては、新たに国交省港湾局の予算を旅客船ターミナルの整備などに活用できるよう連携する。 VJCを推進するビジット・ジャパン・アップグレード・プロジェクトには、同35%増の41億円を計上した。2020年に外客を2千万人にする中長期戦略を見据え、プロモーションでは、関係省庁と連携した日本文化の発信のほか、従来の重点市場に加え、インドネシアやベトナム、湾岸諸国などの新市場を調査する。受け入れ態勢の強化では、通訳ガイドの充実のほか、外国語表示の改善など交通機関の利用環境の向上を図る。 国際会議の開催・誘致の推進費は、今年度予算と同額の3億7100万円。誘致活動を支援するほか、国際会議開催の経済効果を算出できる推計モデルを策定する。 新規事業では、ユニバーサルツーリズム促進事業に1千万円を付けた。障害者などの旅行環境整備に向け、観光情報の提供や旅行商品の造成に関する目安となるチェックシートを作成する。
10月1日に国土交通省の外局として観光庁が発足するのに合わせ、観光関係団体懇談会(26団体で構成、幹事・日本観光協会)は26日までに、10月2日に東京のグランドプリンスホテル赤坂で「観光庁発足を祝う会」を開くことを決めた。 当日は観光関係団体、企業、国会議員、国交省幹部など約200人の参加が予定されている。 観光庁は長官以下、次長、審議官、参事官2人が置かれ、総務課、観光産業課、国際観光政策課、国際交流推進課の4課のほか、観光地域振興部の下に観光地域振興課と観光資源課の2課体制でスタートする。