岡山県は9月24日、観光振興計画「観光立県戦略」を策定し、観光立県を宣言する。計画は、検討会議(大原謙一郎座長=大原美術館理事長)の7月にまとめた素案をたたき台に最終決定するもの。着地型観光の推進など4つの重点方針や6つの目標を定め、観光力を高めていく考えだ。
観光振興計画は09〜13年度の5年間が対象で、来年度からの新規施策に反映される。
重点方針は(1)着地型観光の推進(2)各観光地の結び付きの強化(3)岡山県観光のCS向上(4)観光プロモの見直し──の4項目。その1つ、到着後に行き先を決める着地型観光の推進では、駅や空港を発着点とした短時間のルートを開発。交通基盤を生かし、ビジネスマンや外国人旅行者、高齢者をターゲットに訴求していく。
6つの目標として「県の認知度を高める」「観光入り込み客数を増やす」「外国人旅行者を増やす」などを実現させる。外客誘致では東アジアに加え、欧米にも力を入れる。
同県は、国が推進するVJCや10月に設置される観光庁など観光立国への動きを背景に観光振興を図る観光立県への必要性を感じたことから、現状分析と戦略策定に至った。
同県の07年の観光客数は約2502万人。98年の2737万人をピークに減少傾向にある。半面、外国人観光客数は07年に6万700人で04年以降、増加しているため、特に外国人旅行者を取り込みたい方針。
観光物産課の槙尾敏之氏は「昨年ミシュランが3つ星観光地に後楽園を選んだ影響で、欧米から多くの観光客が来るようになった。計画を契機に外国人旅行者を視野に入れ、宿泊者数を伸ばしていきたい」と意気込みを話す。 |