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  トラベル ■第2483号《2008年9月13日(土)発行》  

JTB、東北の旅行需要喚起へ全社キャンペーン
キックオフミーティングの意見交換会

 JTBは、地域活性化と国内旅行需要喚起を目的とした全社キャンペーン「日本の旬」を08年下期(10月〜09年3月)に東北を対象地域に実施する。「温もりの国・東北」をテーマとして食事や温泉や二次交通、おもてなしなどの“温かみ”を人々に訴え、前年対比11.1%増の100万人の販売を目指す。

 世界遺産・白神山地の大自然に触れ合うトレッキングバスツアーや、中尊寺と毛越寺、松島瑞巌寺、山寺の四寺をガイド付きで効率よく巡るツアーなどを設定。ガイドのオプションを安価に多方面でそろえており、中尊寺ではワンコイン500円という安さ。

 仙台市内周回の2階建てオープンバスの運行や、ライトアップされた幻想的な夜の鶴ヶ城の特別入場などの企画も用意した。観光施設で提示すれば体験プログラムの特典を受けられるパスポートも旅行客に配布する。

 11月15日には仙台市で全国各地の伝統芸能を現代風なアレンジも加えて披露するイベント「杜の賑い」も開催する。

 国内企画商品「エース」の販売状況で東北は2つの地震の影響により8、9月とも前年比70%程度と大きく落ち込む。地震の発生は全社キャンペーンの想定外だったが、JTB東日本国内商品事業部では「このタイミングに実施できて良かったのではないか。東北観光復興の足がかりとしたい」(大澤幸博・仕入販売課長)と力を込めて話した。

販売担当者がキックオフ会
 3日、仙台市で日本の旬・東北キックオフミーティングが開かれた。JTBの各事業会社や各国内商品事業部、JTB協定旅館ホテル連盟の東北6支部などの関係者約460人が集まり、キャンペーンの目標達成に向け結束を固めた。

 日比野健・JTB常務取締役旅行事業本部長は、8月中旬以降の販売が上向いてきたことを挙げ、「明るい兆しも見え始めた。これから間際化している申し込みを確実に受注し、挽回を図る」と意気込んだ。また、小田禎彦・JTB協定旅館ホテル連盟会長は、「下期の宿泊増売の起爆剤となり、東北はもとより全国をリードする実績につながるよう目標達成に向けて努力を」と激励した。


東日本フェリー、函館〜青森など3航路から撤退
5月には2隻目の高速船を投入したが…(ナッチャン World)


 東日本フェリー(函館市、古閑信二社長)は8日、11月いっぱいで国内フェリー事業から撤退することを発表した。同社は函館〜青森航路へ昨年9月と今年5月に相次いで世界最大級の高速フェリーを投入。短い乗船時間や新しい設備を売りに利用客を集め、青森〜道南地域の観光振興の新たな旗手として期待されていた。しかし高額な船体建造費を回収するほどの利用者数が得られなかったことに加え燃油価格の高騰が経営を圧迫、今回の撤退となった。

 撤退するのは、函館〜青森、函館〜大間、室蘭〜青森の3航路。このうち函館〜青森で運航中の高速フェリー「ナッチャンRera」「ナッチャンWorld」は11月から運休する。2隻の高速船の売却や貸与などの予定は現段階で未定。同社はこのほか2隻の在来型フェリーを同航路で運航していたが、これらについては、同社グループ会社の道南自動車フェリーが引き継ぎ、運航する。

 東日本フェリーはこれまで、1隻90億円とされる高速船の導入にはじまり、津軽海峡エリアの活性化と広域観光の推進を目指し高速バスと高速フェリーを組み合わせたチケットなどを販売。青森県フェリー埠頭公社とともに青森のフェリーターミナルのリニューアルを行うなど、積極的な事業展開を行っていた。

 同社によると、昨年9月の高速フェリー導入以降、利用者数は前年比80%増と好調に推移していたが、8月は23%増と伸び幅が大幅に縮小。「ハイシーズンである夏季に想定していたボリュームの旅客が確保できなかった」(営業本部)。

 青森県フェリー埠頭公社によると、07年の青森港の航送実績は、旅客は前年比6%増の75万6946人と伸ばしている。しかし乗用車が同3%減の13万2652台、バスが同15%減の1328台と前年割れ。「ガソリン価格の高騰の影響からか、乗用車の利用が予想以上に伸びなかったことも響いた」(営業本部)。

 同社は8月4日、「燃油価格の高騰が事業基盤を圧迫する深刻な状況」だとして9月1日乗船分からの運賃改定と減便を発表。エコノミーの場合、運賃を大人5千円から6500円に値上げするなどの対応を行っていたが、今回の撤退となった。

 10年の東北新幹線延伸をにらみ、広域観光振興を推進する青森県も今回の撤退に肩を落とす。同県観光局の小笠原裕局長は「高速船の運航は、移動時間の短縮から道南地域と青森の交流人口の拡大につながるものとして期待していた。訪日外国人に人気の北海道と組み合わせた青森周遊旅行商品も実現していただけに、残念」と話す。

 函館〜大間航路については生活航路として存続を求める声があることから、東日本フェリーでは、関係自治体からの支援を受けての運航を含め、航路存続の可能性を検討する予定だ。



小田急電鉄、カーボンオフセット導入の割引周遊券発売、日本初

 小田急電鉄は1日から、日本で初めてカーボンオフセットを導入した割引周遊券を発売した。CO2を相殺するための費用を小田急電鉄などが負担する。周遊券にカーボンオフセットを取り入れることで、地球温暖化対策に積極的に取り組む企業姿勢を広く消費者にアピールしたい考えだ。

 割引周遊券「箱根旧街道・1号線きっぷ」は、小田急線の往復割引乗車券と箱根登山線、箱根登山バスが乗り降り自由になる乗車券をセットにしたもの。周遊券には箱根関所資料館など、国道1号線・箱根旧街道の名所旧跡や温泉施設など25施設を割引料金で利用できるといった特典もつけた。

 同社は、周遊券を利用した際に出るCO2量を5.4キログラムと推計する。周遊券では、排出CO2のすべてを日本カーボンオフセットの提供するサービスを利用して相殺する。相殺費用は小田急電鉄、箱根登山鉄道、箱根登山バスの3社が全額負担することから、周遊券の料金には含まれない。

 発売金額は新宿からの場合、大人3080円。周遊券の有効期間は1日。



ツアーコンダクター・オブ・ザ・イヤーグランプリにジャッツの瀬口氏

 07年度に多大な功績をあげた添乗員を称える第3回目「ツアーコンダクター・オブ・ザ・イヤー」の受賞者が4日、発表された。グランプリ(国土交通大臣賞)はジャッツ関西所属の瀬口つぐみ氏、準グランプリ(選考委員会委員長賞)はJTBワールドバケーションズ所属の磯部正春氏、特別賞(日本添乗サービス協会会長賞)はツーリストエキスパーツ所属の平井雄一氏。 

 添乗員の人々が誇りとモチベーションを持って働けるようにするとともに、優秀な添乗員の育成を目的として設立された賞。主催は国土交通省、日本旅行業協会、全国旅行業協会、日本添乗サービス協会などで組織する実行委員会。今回の表彰対象は07年4月〜08年3月に国内、海外の添乗通算日数で100日以上従事した添乗員。

 グランプリの瀬口氏は、昨年9月、軍事政権に反抗した僧侶によるデモが起きたミャンマーでの添乗中、ツアー客が不安に陥らないよう冷静に行動。混乱のヤンゴンを避けて、ツアー目的であったパゴダ修復者の記念プレートへの記名確認と小学校への文具寄付を無事に果した。添乗歴18年。

 準グランプリの磯部氏は、初のクロアチア・チャーター便のオペレーション体制を構築したことなどが評価された。添乗歴31年。特別賞の平井氏は、大型台風に見舞われた北海道ツアーで、ツアー客の意向に沿った振替の交通手段を的確に手配した。添乗経験14年。

 表彰式は9月19日、東京ビッグサイトで開催のJATA世界旅行博の会場で行われる。



楽器挫折者救済ツアー、今回は懐かしのアニメソング演奏 日本旅行

 日本旅行は同社の人気ツアー「楽器挫折者救済合宿」の特別編として、懐かしのアニメソングを演奏する「帰ってきた70年代&80年代限定アニソンスペシャル」を10月24〜26日、山梨県河口湖で開催する。「70、80年代のアニメソングの名曲を、当時の思い出に浸りながらバンド演奏できたら」という団塊ジュニア世代の願いにこたえる。

 ツアーは楽器演奏の挫折者や未経験者を対象に、2泊3日の合宿でバンド演奏のレベルまで上達させることを目指すもので、マルチミュージシャンのきりばやしひろき氏が講師を務めている。

 過去900人以上の楽器挫折者を救済したという人気の企画。アニメソング限定の企画も今年1月に開催し、好評だったことから第2弾を企画した。

 3日間の日程では、「元祖天才バカボン」「ルパン三世」「機動戦士ガンダム」などの課題曲を演奏。最終日に発表会を行う。募集15人で料金3万9800円。



千趣会子会社が日本初の犬中心のパックツアー
ツアーパンフレット


 カタログ事業などを展開する千趣会の子会社である千趣会ゼネラルサービス(大阪市、大山幸次郎社長)とペットファースト(神奈川県川崎市、中林義博社長)は3日、しつけ教室など、犬中心のイベントを盛り込んだ旅行を発売した。日本旅行の募集型企画旅行商品として催行する。ペットの犬と一緒に宿泊し、イベントに参加するツアー内容は、パッケージツアーとして日本で初めて。ペットと一緒に旅をしたいという飼い主のニーズにこたえる商品。

 ツアーは5千平方メートルの森のドッグランや犬の障害物競争「アジリティ」がある「八ヶ岳わんわんパラダイス」に滞在。犬と一緒にコテージに泊まれる。愛犬のしつけ・トレーニング講習会や夕食パーティーでのゲームは、補助犬育成団体「日本聴導犬協会」が年齢や犬種に応じ企画する。

 ペットフード工業会の調査によると、ペットとして飼われている犬、猫の総数は07年10月時点で2271万匹。ペットの増加とともに、一緒に旅行したいという飼い主も増えているという。

 10月17日、11月8、14日出発の1泊2日。催行人数は各日25組限定。

 旅行代金は大人1人2万2千円からで、犬は1匹3千円。



国土交通月例経済5月分

 国土交通省は今年5月の国土交通月例経済の概況を発表した。主な動向は次の通り。

■鉄道旅客輸送
 JR旅客6社の輸送実績は、前年同月比0.5%増の7億9171万4千人。このうち新幹線旅客は0.1%増の2532万人で、前年同月の実績を久々に割り込んだ4月から増加に戻った。一方、民鉄の合計は0.9%増の12億1665万人だった。

■航空旅客輸送
 国内線9社は、増減なしの768万1千人。このうち幹線は2.0%増の307万1千人、ローカル線は1.3%減の461万1千人。一方、国際線は1.6%減の131万9千人。

 6月の速報は、国内線が3.1%減の730万2千人。このうち幹線が0.2%増の300万5千人、ローカル線は5.2%減の429万7千人。国際線は、7.1%減の134万4千人と大きく前年同月の実績を割り込み、5カ月連続のマイナスとなった。

■フェリー輸送
 長距離フェリーの全旅客数は、6.9%減の24万6千人。6月の速報も8.8%減の18万7千人だった。

■出入国
 出国日本人数は1.1%減の129万1千人。6月の速報も、航空機の国際線燃油サーチャージの高騰などが影響しているとみられ、7.2%減の128万3千人とマイナス幅が大きい。前年割れは14カ月連続となった。

 訪日外客数は10.8%増の73万6千人。6月の速報も、7.9%増の68万2千人。

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