VJC実施本部事務局は10月23日から中国・上海で開かれるクルーズ見本市(シートレード・オールアジア・クルーズコンベンション)にブースを出展する。今回は7港の関係者や旅行会社3社が参加する予定。 VJCでは、毎年3月に米・マイアミで開かれているシートレード・クルーズ・シッピング・コンベンションへ過去5年間出展し、日本へのクルーズ船の寄港促進を図ってきた。 シートレード社にとって上海での見本市開催は初めてであり「クルーズ業界でアジア市場の重要性が高まってきた」(関係者)との見方もある。 日本側からは青森、横浜、神戸など7港の関係者が参加。このほか「JTBグローバル・マーケティング&トラベル、KNT、トップツアーの3社が参加する」(VJC事務局)。 主催者側によると、中国やアジア地域の観光局、旅行会社のほか、ロイヤル・カリビアン・インターナショナル、コスタクルーズ、スタークルーズ、日本郵船を含む多くのクルーズ会社が代表者を派遣する。 VJC事務局は「クルーズを訪日手段の柱と位置づけ、クルーズ寄港の誘致を図っていきたい」と話している。
エイチ・アイ・エスグループのインバウンド専門会社エイチ・アイ・エス・エクスペリエンスジャパン(HEJ)は22日、訪日外国人を対象にした薪能鑑賞ツアーと、ジブリ美術館などを訪問するアニメ体感ツアーを発売した。ツアーの舞台は吉祥寺。日本の現代文化と伝統文化の両方を感じられるツアー内容。 2本のツアーを発売するのは今年で2回目。薪能を鑑賞するツアー「吉祥寺月窓寺薪能〜能楽のすべてを知りたいあなたに」は10月17日に実施。英語の通訳案内士が案内するもので、薪能鑑賞前には能楽の基礎についても教える。料金は1万5800円。催行人数は2人から20人まで。 「吉祥寺アニメワンダーランド2008公式ツアー」は、地域活性化のため吉祥寺のアニメスタジオや同所在住の漫画家などが主体となって行っているイベント「吉祥寺アニメワンダーランド2008」と連動したツアー。三鷹の森ジブリ美術館の訪問のほか、アニメスタジオ「ぴえろ」の本社を見学できるコースなど全部で5種類をそろえた。 例えばアニメスタジオ「ぴえろ」の訪問とジブリ美術館体験コースは10月8日、15人限定で催行。添乗員同行で料金は5千円。
サブカルチャーは観光資源としてどのように活用されるべきか──。観光学科に所属する大学生ら100人が全国から集まり、こんなテーマで調査、報告会を行った。 20、21日の2日間、杏林大学八王子キャンパスで「第4回全国観光学科学生サミット」が開かれた。参加したのは、阪南大学、杏林大学、川村学園女子大学、横浜商科大学、立教大学の観光関連学部・学科に所属する学生94人と若手教員6人。 岡本伸之・立教大学観光学部教授(現在は名誉教授、帝京大学教授)のゼミナールで共に学んだ、丹治朋子・川村学園女子大学准教授、大谷新太郎・阪南大学准教授、野口洋平・杏林大学専任講師の3人が、複数大学の観光系学科の学生達を集めて共に学び交流する場をつくろうと、04年から同サミットを始めた。 今回のテーマ「サブカルチャーは観光資源としてどのようにして活用されるべきか」の設定意図について野口杏林大講師は、「インバウンドのプロモーションで使われている芸者、富士山などは、伝統文化のシンボルには違いないが、現代日本人にとっては決してリアルではない。むしろアニメやゲーム、マンガなどに代表されるサブカルチャーや、B級グルメなどの方が身近。それらを観光資源として活用するアイディアを若者の感性と視点で探ろうと考えた」と話す。 研究発表では鋭い意見や指摘が続いた。阪南大学4年の吉永竜馬さん(写真中央)は「秋葉原の電気街には外国語表示が完備しているのに、メイド喫茶やフィギュアショップなどオタクが集まる場所にはほとんどない。せっかくのコンテンツが観光資源として有効活用されていない」と報告。 杏林大学3年の一場寛永さんは「過剰な路上パフォーマンスへの取り締まり強化が始まっていた時期に、歩行者天国で無差別殺人事件が発生。歩行者天国はなくなり、人が集まると職務質問をうけるようになった。結果、本物のオタクが中野ブロードウェイ(中野区)や乙女ロード(豊島区東池袋)に逃げている。オタクのいる風景が秋葉原の観光資源の一部であるならば、危機的状況だ」と指摘した。