宮城県の作並温泉旅館組合は9月30日、観光客らを対象をした避難訓練を行った。旅館組合員や仙台市の職員ら約100人が参加。外国人を含む観光客からの問い合わせに対応する広報訓練など実践的な内容に取り組んだ。1つの温泉街が一体となって避難訓練を行うのは、同県内の温泉地で初めて。今後も「安心、安全の作並温泉」をアピールし、誘客につなげたい考えだ。 避難難訓練には同温泉の7軒の宿泊施設の従業員のほか、地元消防団や東北大学の災害制御研究センターの研究員らも参加。共同の一時避難場所への観光客の誘導や旅館組合共同の臨時相談所の設置、倒木を取り除いての避難経路確保訓練などを行った。外国人も参加し、インバウンド客への避難指示訓練などに協力した。 同温泉旅館組合の森谷寛組合長(作並ホテル)は、「従来施設ごとにやっていたものを初めてまとまって行ったことは非常に意義がある。この取り組みを毎年継続し、『安心・安全の作並温泉』を売りにしていきたい」と意欲を見せた。 同温泉では、従業員を対象にAED講習を実施するなど、安心・安全の温泉地づくりに力を入れており、今後は各宿泊施設でのAED普及率100%の実現なども進める考えだ。 DCに合わせもてなし企画 宮城・作並 作並温泉旅館組合は10月から、仙台・宮城DCに合わせたオリジナルのおもてなし企画を始めた。同温泉に近いニッカウヰスキー宮城峡蒸溜所とタイアップし、オリジナルウイスキーづくりなど5つのメニューをそろえ、宿泊客増を狙う。 新たに始めた企画は、(1)オリジナルウイスキーづくり(2)宮城峡の名水と紅葉を楽しむノルディックウォーク(3)ウイスキーとジャズを楽しむイベント(4)合計年齢120歳以上のカップル(夫婦)へのオリジナル純米酒プレゼント(5)組合旅館での「作並伊達鍋」の提供──の5つ。 このうちオリジナルウイスキーづくりは、ニッカウヰスキー宮城峡工場で作られている5種類のウイスキーを参加者が自分の好みに合わせて調合するもの。「世界で1つ、自分のウイスキーを作れる」(森谷組合長)。また作並伊達鍋は、名産の仙台味噌と豆乳をベースにした作並温泉オリジナルの鍋で、各旅館によって具材が違うことから、バリエーションを楽しめる。 今年6月の岩手・宮城内陸沖地震以降、同温泉でも観光客の入りこみ減が続く。森谷組合長は、「作並は仙台からも近く、気軽に来れる。ぜひ美しい紅葉とオリジナル企画を楽しみに来てほしい」と強調した。
独ロマンチック街道と群馬、長野、栃木県をまたぐ日本ロマンチック街道が姉妹提携し今年で20年を迎えるのを記念して3日、独観光局アジア・オーストラリア地区統括局長のペーターブルーメン・シュテンゲル氏、熊川栄日本ロマンチック街道協会理事(嬬恋村村長)らが東京都内のホテルで会見した=写真。 日本ロマンチック街道は草津町観光協会長だった故中沢晃三氏が82年に提唱。87年には小諸から日光までの15自治体が加盟し、協会を設立、88年にドイツと姉妹街道を締結した。 ぺーターブルーメン氏は「東西ドイツの統一記念日である本日に20周年の会見ができ、特別な思いだ」と笑顔で述べ、日独観光交流拡大に両街道が架け橋になるよう関係強化に意欲を示した。 独ロマンチック街道はユネスコ世界遺産の町ヴュルツブルグからノイシュバンシュタイン城のあるフュッセンまでを結び、全長約350キロに及ぶ。バスでの観光に加え、近年はサイクリングロードやハイキングロードも整備され、楽しみ方が増えているという。 日本ロマンチック街道は小諸市から軽井沢、草津町、沼田市を経て、日光市までの全長約230キロをいう。「日本以外ではブラジルにロマンチック街道があるほか、韓国やベトナムでも街道の準備が進められている」(独観光局)。
熊本、長崎、大分の九州3県はこのほど、合同の観光キャンペーンを羽田空港で実施。九州新幹線全線開業を見据え、3県を通るルートの最新観光スポットを紹介するとともに、パンフレットの配布などを行った。 期間中の3日間、日別に各県がPR。各県出身のJAL客室乗務員との撮影会=写真=も子供対象に行った。熊本県は熊本観光キャンペーン「ゆったりくまもと体験紀行」の紹介をした。往復航空券があたるゲームを行い、親子連れの参加者などでにぎわった。 九州新幹線全線の開業を控え、3県が連携して誘客を目的にキャンペーンを実施するのは初の試み。