中部(東海・北陸・信州)広域観光推進協議会は10日、今後5年間の基本的な方針や取り組むべき施策を示した「中部観光ビジョン」を策定した。広域化による魅力的な観光圏の創造、国際観光の推進などに努め、2013年には観光入込客数を7億人(06年5億9062万人)延べ宿泊者数6600万人(07年5505万人)などとする数値目標を掲げた。 同協議会では昨年9月に策定委員会(座長・須田寛日観協中部支部長)を設け、検討を重ねてきた。ビジョン達成に向け「今後は観光関係者らを対象にした説明会を各県で実施、目標を共有化する」方針。 ビジョンは(1)観光魅力の認知度向上(2)魅力ある観光地の形成(3)リピーターの増加──を定性的目標に据え、13年までに入込客数、延べ宿泊者数を2割アップさせるほか、外国人延べ宿泊者数を340万人(07年243万人)、旅行消費額は5兆円(06年4兆405億円)とする。 目標達成に向け、テーマ別観光(産業観光や街道観光など)による観光地を形成し、それらを盛り込んだモデルコース、例えば「四季を彩る『花、街道、まちなみ』中部横断の旅」「ものづくりの心に触れる旅」などを提案していく。 また、国際観光では中部が一丸となったプロモーションの展開や訪日教育旅行の促進、MICE市場の開拓や視察旅行の誘致など企業集積を生かした施策を打つ。
日本旅客船協会は7日、瀬戸内海に全国の旅行会社の社員約30人を招き、旅客船による視察ツアーを実施した。今回で2回目。瀬戸内海の魅力を直接体感してもらい、瀬戸内海各地で運航されているミニクルーズ船や定期船の利用を促進する旅行商品の造成を図る。 視察ツアーは、国土交通省海事局長の私的諮問機関として設置された「船旅の魅力再生のための懇談会」の検討結果を踏まえて、同協会が一昨年から取り組んでいる「船旅の魅力向上策」の一環として実施。旅行会社の販売チャネルを活用して海への誘客を促進し、旅客船事業の活性化を目指す。 ツアーコースは、広島県三原市の三原港を出発し、たくさんの島が浮かぶ瀬戸内海を巡り、広島市の広島港に帰着。しまなみ海道の橋めぐり(多々羅大橋、大三島橋、伯方・大島大橋)や、大崎下島での歴史のある街並の散策、下蒲刈島での松涛園見学、船上からの呉港の見学など瀬戸内海の豊かな歴史的、文化的な資源や航路筋を流れる景色などを視察した。 参加者からは「船からの瀬戸内海の景色は素晴らしい」「バス旅行では味わえない旅行だ」などの感想が聞かれた。
山形県の07年度の主要観光地での観光客入込数は、延べ人数が4007万7千人で、前年度比1.3%の減少となった。9、10月が好天だったことや、06年に比べ早い時期からの降雪があったことから、「山岳」「スキー場」の利用は伸びたが、新潟中越沖地震の発生で「海水浴場」が同12.5%減と大きく前年を割り込んだ。同県の入込数減少は3年連続。 「温泉観光地」は新潟中越沖地震の影響から、夏から秋にかけて前年を下回った。日帰り施設の入り込み減もあって、1196万4千人、同2.8%減となった。このほか、観光果樹園や美術館などを含む「その他」が694万5千人で、同3.5%減と落ち込んだ。同県観光振興課では、梅雨の長期化なども入り込み減の一因とみる。 県内客は昨年より7272人減少したが、県外客は2120人増え、県内客は延べ2118万4千人、入り込み数全体の52.9%だった。県外客は延べ1889万3千人で、構成比47.1%は最近5年で最も高い。 調査期間は07年4月から08年3月まで。同県内346カ所の主要観光地を対象に行った。
観光圏整備法に基づき、16地域の整備実施計画が国から認定された。その1つ、伊勢志摩観光圏の整備実施計画の認定書交付式が10日、中部運輸局で行われた。 交付式では中田徹・中部運輸局長から、森下隆生・伊勢志摩観光コンベンション機構会長(伊勢市長)、佐藤吉彦・鳥羽商工会議所事務局長、木村圭仁朗・志摩市観光協会長(福寿荘社長)、寺田順・南伊勢町観光協会長らに認定書が手渡された。 中田局長は「観光圏のモデル地域として期待している。さまざまなコンテンツがゴロゴロしている地域で、眠っている観光資源を活用してほしいと」と話した。 伊勢志摩地域観光圏「〜RE:明日(リアス)式伊勢志摩の創出〜」は伊勢市、鳥羽市、志摩市、南伊勢町で構成される。実施計画の期間は2013年3月末まで。主な数値目標は、観光入り込み客数を06年の919万人から1195万人、宿泊観光客1人当たりの観光消費額を06年の3万9596円から4万1576円にする。補助金額は約2351万円と全国トップレベルの事業規模となっている。
京都市の東映太秦映画村は11日、11月1日から全国東映系で公開される映画「まぼろしの邪馬台国」の公開記念イベントとして、主演の吉永小百合さんと竹中直人さん=写真=によるトークショーを開催。大勢のファンが詰めかけた。 2人は夫婦役で出演。全盲の郷土史研究家、宮崎康平さんが妻と一緒に九州各地を旅し、邪馬台国の場所を探すストーリー。九州の美しい大自然を舞台に、夫婦愛が描かれる。 竹中さんは「東映太秦映画村に吉永さんと来られてうれしい。撮影所はあこがれの場所だった」、吉永さんは「京都で映画が作られて100年。私が初めて映画に出させていただいたのは49年前。今度の映画はそのころの自分を思い出すような躍動感のある役です」と京都や公開される映画について話した。 イベントには、山田啓二・京都府知事も駆けつけ花束を贈呈した。映画村では、9月13日から11月30日まで「京都・日本映画100年特別記念イベント」を開催している。