コンサルタントのリョケンはこのほど、全国の旅館・ホテルを対象に四半期ごとに実施している短期観測アンケートの、今年9月実施分の結果を公表した。それによると、今秋(9〜11月)の客数見込みは減少傾向の回答が多く見られ、特に自館が立地する地域全体の客数では5割が減少傾向と回答した。ガソリン価格や食品などの相次ぐ値上げによる、消費者の遠距離への車移動の敬遠、消費マインドの低下が背景にあると見られる。 調査は全国の旅館・ホテル708軒に行った。回答数は124軒で、回答率17.5%。 今秋の客数傾向は、自館では39.0%が減少傾向、19.5%が増加傾向と回答した。横ばい傾向は41.5%だった。 自館が立地する地域全体では、減少傾向が50.0%となり、回答が最も多かった。横ばい傾向は47.2%。増加傾向は2.8%にとどまった。 客数傾向を地域別に見ると、北海道・東北で減少傾向が強く、自館で60.9%、地域全体で76.2%が回答した。「東北地区での地震の風評被害の影響が残っているようだ」(リョケン)。 このほか、減少傾向の回答率が高かったのは、自館では甲信越57.9%、東海40.0%。地域全体では甲信越68.8%、近畿・中国45.0%。 今夏の客数実績減少が35%に 今夏(7月下旬〜8月末)の客数実績を聞くと、自館では減少傾向と横ばい傾向がともに35.8%だった。増加傾向は28.5%にとどまった。 地域別では、北海道・東北で65.2%が減少傾向と回答するなど厳しい状況。逆に、北陸で66.7%、四国・九州で62.5%が増加傾向と回答した。北陸は東海北陸自動車道の開通や、前年の地震による風評被害の反動によるものと見られる。 自館が立地する地域全体の客数実績は、54.4%が減少傾向と、厳しい状況だった。横ばい傾向は33.0%、増加傾向は12.6%だった。
帝国データバンクによると、今年9月の東京都内企業の景気DI(0〜100、50が判断の分かれ目)は31.2で、7カ月連続の悪化となった。全国平均の29.3や南関東の30.6を上回るが、悪化幅は1.6ポイントと、全国平均の1.0ポイント、南関東の1.4ポイントを上回る。 企業の規模別では、大企業が33.8で、前月比1.9ポイント減。中小企業が30.0で、同1.4ポイント減少した。ともに7カ月連続の減少。大企業の悪化幅が中小企業の悪化幅を上回り、両者の格差は3.8ポイントに縮小。これで、2カ月連続で縮小した。 業界別では、10業界中9業界で前月比悪化した。このうち小売(31.9)とサービス(34.4)は2.0ポイント以上の悪化となった。農・林・水産(50.0)のみ前月比横ばいとなった。 先行きの景況感は、3カ月後が34.3、6カ月後が34.6、1年後が38.6。前月(3カ月後35.4、6カ月後35.9、1年後39.5)より悲観的な見方となっている。