日本政府と香港特別行政区政府は、2009年を日本・香港観光交流年とすることを決めた。観光庁、香港駐東京経済貿易代表部などが10月31日に合同で記者会見し発表した。年間を通じて相互にイベントなどを開催し、双方向の観光促進を目指す。 交流年のオープニング行事は、相互に訪問団を送って観光や文化の魅力をアピール。香港では1月に、日本では2月に開催する。7月には日本の最新エンターテイメントなどを香港に紹介するイベント「トレンドエキスポ香港」で交流年をPR。東京でも同月に「香港ウイーク」を催し、香港の文化やグルメを紹介する。 また、香港と日本の地方都市との連携イベントも予定している。香港政府観光局と提携関係を結んでいる観光協会などを持つ札幌市、神戸市、鹿児島県や、香港の旅行者に人気の高い北海道小樽市などとの間で計画する。 観光庁の本保芳明長官は「香港はビジット・ジャパン・キャンペーン(VJC)開始時からの重点市場で訪日客も伸びている。友好関係をさらに強化し、観光交流を拡大したい」と意欲を示した。 香港駐東京経済貿易代表部の祝彭婉儀(ジェニー・チョック)首席代表は「日本の地方空港との航空アクセスも向上しており、交流年を通じた緊密な連携によりさらに観光交流を促進できる」と期待した。 記者会見では、交流年のロゴマークも発表した。「Sharing Smiles,Shaking Hands」をコンセプトにしたデザインになっている。 香港からの訪日旅行者数は、07年が前年比22.7%増の43万2千人。今年1〜9月の累計値も前年同期比34.4%増の42万7千人。一方、日本から香港への旅行者数は、07年が前年比1.0%増の132万4千人。今年1〜9月の累計値は、前年から若干減少し、前年同期比0.8%減の96万9千人となっている。
国土交通省中部運輸局はこのほど、中部地域の上半期(2008年1〜6月)の宿泊旅行統計調査結果を発表した。延べ宿泊者数は前年同期比0.5%増の1675万人泊、うち外国人は同9.7%増の91万人泊となり、宿泊者全体に占める割合(シェア)は5.4%と前年同期より4ポイントアップした。 愛知、静岡、岐阜、三重、福井各県の計1375施設を対象に調べた。 国・地域別に見た外国人延べ宿泊者数では、1位が台湾の20万480人泊で、以下、中国16万2380人泊、米国13万520人泊、韓国10万5180人泊、タイ4万1830人泊。前年同期比では、中国(41.2%増)やシンガポール(28.3%増)、香港(27.5%増)の伸びが目立っている。 県別に見ると、延べ宿泊者数は愛知、福井が増加したものの、他3県は減少。外国人については静岡、愛知、岐阜が増加したが、三重と福井は減少し、特に福井は19.9%の大幅減だった。
JTBは、日本を訪れる外国人観光客が年々増えているなか、「訪日外国人にお勧めしたい日本の魅力は」と題してウェブアンケートを実施した。その結果、「祭りなど、伝統的な文化」(43%)と答えた人が4割以上で、トップ。「その土地ならではの祭りや風物詩などから、リアルな日本を感じてほしい」といった声が多かったという。 2位は礼儀作法など「和の心」(29%)、3位は「温泉・グルメ」(15%)。また、「漫画の話で海外からの友人と盛り上がった」(20代・女性)など「現代カルチャー」(7%)が4位に。 「外国人に最もお勧めしたい日本の観光地は」という質問も行ったところ、「関西」(44%)が1位。その多くが「京都」「奈良」と回答。「伝統的な日本が凝縮されている感じで、様々な国籍の人にも分かりやすいと思う」などの回答が多かった。 2位は「関東」(21%)。浅草など「江戸」を感じる街並みから、秋葉原などの現代カルチャーを感じさせる場所までを擁する「東京」や、世界遺産の「日光」、温泉だけでなく海や山、食事も楽しめる「箱根」「伊豆」など多様な意見があった。もちろん「富士山」の声もあがった。