KNTは10月から新たに「笑顔にっぽんキャンペーン」を始めた。従来同社がデスティネーションを盛り上げるために行っていた全社キャンペーンの取り組みを見直し、キャンペーンの浸透を図る取り組みを進めたもの。第1弾として10月から「スマイルながさき」を開始した。一般消費者だけでなく社員へのキャンペーンの浸透や販促ツールの充実に力を入れることで、店頭でのキャンペーンエリアのPR効果を高め、販売促進に結び付ける。 従来のキャンペーンで注力してきたキャンペーン専門商品の造成や団体客の送客に加え、社員へのキャンペ浸透と各支店や営業所を対象とした販売支援活動に注力する。同社キャラクターのTV番組キャラクター「ガチャピン・ムック」のキャンペーンエリアでの写真やキャラクターグッズなど、店内装飾やポップアップに活用できる素材をキャンペーン商品の販売に積極的な店舗に優先提供するなどの支援を進め、販売力向上を図る。また従来全国各地発で作っていたキャンペーン専用商品の造成を東名阪やキャンペーンエリアの近隣地域に限定することで、効率的に効果を上げられるようにする。 キャンペーンではこのほか、同社ウェブサイト上でのキャンペーンエリア特集ページも新たに設置し、同社サイトを訪問者すべてに対し、キャンペーンエリアの魅力を発信する。 「全社キャンペーンに協賛した自治体や関係協力施設などから、キャンペーン自体が社員にあまり浸透しておらず販売促進につながっていないのではないかとの指摘があったことから、キャンペーンの取り組み方を見直した」と橋屋哲・同社国内旅行部部長。 笑顔にっぽんキャンペーンの第1弾となる「スマイルながさき」では、10月3〜5日にキャンペーンのオープニングを飾るイベント「メイトスペシャルデー」を実施。ガチャピンとムックが参加してハウステンボスでフォークダンスや宝探しを行い盛り上げた。今後はプレゼントキャンペーンなどを織り込みながら1〜3月の卒業旅行需要の取り込みを図る。 スマイルながさきのキャンペーン期間中の送客目標は、対前年同期比17.6%増。前年実績は公表していない。キャンペーン期間は来年3月まで。
JTBは、南紀白浜の泊食分離型宿泊プランでエリア内の旅館やレストランでの夕食を選べるようにした。旅行先での食事を楽しみにする人が多いなかで、メニューを自由に選びたいという幅広い年齢層のニーズにこたえて企画したもの。 10月31日に発売した関西発商品「白浜スタイル」は、夕食をエリア内の宿泊施設やレストラン、居酒屋など27施設から選択できる。メニューは「紀州本クエ会席」や「熊野牛&海の幸の鉄板焼き」「紀州田辺の釜揚げしらす丼御膳」のほか、和洋中バイキング、地中海料理などバラエティに富む。宿泊は13軒のホテル・旅館の中から選ぶ。 旅行代金は、宿泊施設ごとの設定で、宿泊と朝食、夕食基本代金3千円を含む。夕食メニューにより追加代金が必要。 夕食での移動に便利な往復のタクシーチケットを用意した。宿泊先で夕食を食べるため不要の場合は500円の館内利用券として使える。 従来の泊食分離型商品は客が自分で食事先を探していた。JTBでは「地元の人が食べる店でその土地のおいしいものを食べたい」「地元で人気の雰囲気のいい店を紹介してほしい」といった顧客の声を受けて企画した。
阪急交通社は1日、円高を需要喚起の好機ととらえ、「円高還元特別企画」と称するツアーを発売した。第1弾は「成田発・燃油サーチャージ込み ハワイ5日間」で、旅行代金は1人10万円均一(2人1室の場合)とした。 同社は「急激な円高が進行し、ドル圏やユーロ圏への海外旅行に関心が集まっている。サーチャージ高騰などの影響を受けて伸び悩んでいた海外旅行需要を喚起したい」と意気込む。 17日から約1カ月間、計12本を設定する。最少催行人数は2人で、(1)市内観光とランチクルーズ付き(2)食事3回──などがポイントという。 今後、中部や大阪、福岡で同様のツアーを発売する方針。
楽天トラベルは10月29日から、同社が運営する国内旅行予約総合サイト「楽天トラベル」での国内宿泊人泊数が累計1億人を突破したことを記念したキャンペーンを始めた。全国で厳選した宿の最安値プランや同サイト限定のプランなどをそろえたほか、無料宿泊券が当たる懸賞などのプレゼント企画も実施する。 キャンペーンでは、楽天トラベルでの予約価格が最安値であるという「最低価格保証」付きプランを200プラン以上販売する。また楽天でしか予約できないプラン「楽天限定プラン」や、全国の各エリア別に「露天風呂付き客室プラン」「あったらうれしい特典付きプラン」など様々なテーマに沿ったプランも設定した。 プレゼント企画では、全国から厳選した宿泊施設100軒以上の宿泊券を贈る。また楽天トラベル全サービス累計利用者数1億2千万人達成を目指すプレゼント企画「1億2千万人突破までカウントダウン」も行い、豪華列車「オリエント・エクスプレス」を利用したヨーロッパの旅やトヨタの乗用車「プリウス」など総額500万円以上の豪華賞品をプレゼントする。 このほかキャンペーンサイトでは、1億人突破にあたり佐藤義正・国観連会長や佐藤信幸・全旅連会長ら旅行業界関係者から寄せられたメッセージなども紹介している。12月25日まで。
JR西日本は、10月30日と31日に、和歌山県の白浜温泉と日高町に関西地区の報道関係者を招いて紀州本クエをPRするプレスツアーを実施した。 同社は、地元行政や観光関係者、近畿大学とともに紀州クエブランド化推進協議会を設立。昨年から近畿大学水産研究所から養殖により安定供給されるようになった幻の魚といわれるクエを全国にPR。約1万人が同社の日帰り旅行商品の駅プランや大手旅行会社の商品を利用し訪れ、取り組みは成功した。今年も日本海のかにや関門のふぐに負けない白浜の名物として、倍増の2万人を目指して取り組んでいる。 クエは、もちっとした歯ごたえと脂が乗った白身が特徴の高級魚。鍋料理と刺身が有名。白浜温泉の旅館ホテルでは、会席やフルコース、創作料理など趣向を凝らして観光客に提供している。 白浜観光協会の中田力会長は「紀州本クエという白浜名物を誕生させることできた。今年も多くの観光客を迎えたい」と話している。 また、JR西日本では、白浜温泉同様に日帰り商品駅プランで、日高町の天然クエのプランを販売している。近海の紀伊水道で獲れるクエはとても脂がよくのり、多くの食通に知られる。昨年は観光客約20%増と白浜との相乗効果が出た。今回のプランでは、クエ鍋を中心に、珍味や唐揚、雑炊などで、食べごたえのあるメニューを2コース用意した。 JR西日本和歌山支社は「白浜へはある大手旅行会社では、目標に前年比300%を挙げている。観光施設のアドベンチャーワールドも双子の赤ちゃん誕生で好調。今年も多くの観光客に訪れてもらえそうだ」と話す。
国土交通省は今年7月の国土交通月例経済の概況を発表した。 主な動向は次の通り。 【鉄道旅客輸送】 JR旅客6社の輸送実績は、前年同月比1.8%増の7億8001万人で30カ月連続の増加となった。このうち新幹線旅客は3.6%増の3165万1千人。 一方、民鉄の合計は2.8%増の11億9491万人だった。8月の速報値は0.9%の増加となっている。 【航空旅客輸送】 国内線9社は、0.7%増の776万9千人。このうち幹線は3.1%増の321万人、ローカル線は0.9%減の455万9千人。一方、国際線は6.6%減の145万人になった。 8月の速報は、国内線が2.6%減の900万3千人。このうち幹線が0.2%減の360万6千人、ローカル線は4.2%減の539万7千人。国際線は、11.0%減の145万7千人と大きく前年同月の実績を割り込み、7カ月連続のマイナスとなった。 【フェリー輸送】 長距離フェリーの全旅客数は、2.0%減の27万人。8月の速報も9.9%減の42万7千人だった。 【出入国】 出国日本人数は4.4%減の135万1千人。8月の速報も10.1%減の151万6千人となり、2ケタのマイナス幅で前年割れは16カ月連続となった。 訪日外客数は2.2%増の82万5千人。8月の速報は2.0%減の74万2千人となり、30カ月ぶりの減少だった。