帝国データバンクが10月、全国の企業に行った景気動向調査によると、同月の景気DI(0〜100、50が判断の分かれ目)は26.5で、前月比2.8ポイント悪化した。これで、8カ月連続の悪化となった。02年5月の調査開始以来、今年1月と並んで過去最大の悪化幅を記録し、03年1月の26.1以来、5年の9カ月ぶりの低水準となった。
悪化の背景を帝国データバンクは「米金融危機が欧州に拡大。外需の減速に加え急激な円高.株安が企業業績を圧迫したため」と述べている。
業界別では、10業界すべてでDIが悪化した。特に小売、建設、不動産、運輸.倉庫が過去最低に落ち込み、内需の停滞が浮き彫りとなった。
小売は前月比2.6ポイント悪化の25.2。世界的な株安による消費マインドの低下や、企業活動の停滞による雇用や所得不安の増大が影響した。
建設は同1.8ポイント悪化の22.5。不動産不況や公共工事.民間設備投資の減少、脱談合の浸透が影響した。
不動産は同3.0ポイント悪化の21.7。世界的な金融市場の混乱と信用収縮、景気後退による消費者の購買意欲低下が影響した。
製造は同3.5ポイント悪化の27.4。外需の減速や設備投資の縮小が影響し、03年1月(27.2)以来、5年9カ月ぶりの低水準となった。
企業の規模別では、大企業が同3.1ポイント悪化の30.0。中小企業が同2.7ポイント悪化の25.5。ともに8カ月連続で悪化した。
地域別では、10地域すべてが悪化した。全地域の悪化は3カ月ぶり。
これまで景気をけん引してきた東海は同3.3ポイント悪化の26.4。前月に上位3位圏内から初めて低下して5位になったが、同月はDIが初めて全国平均を下回り、6位に落ち込んだ。南関東(27.8)と近畿(27.5)は、ともに同2.8ポイント悪化。都市圏の悪化に歯止めがかからない状況だ。
最高水準の四国(27.9)と最低水準の北海道(21.1)の格差が6.8ポイントとなり、前月から1.5ポイント縮小。これで6カ月連続で縮小した。
調査は全国の企業2万681社に行った。有効回答企業は1万954社で、回答率53.0%。 |