中国・北京市は5日、日本人の教育旅行需要の取り込みに力を入れることを明らかにした。これまでに10年連続して同市を教育旅行の訪問先として選んだ学校に感謝状を贈るほか、学校関係者やPTA関係者など200人の視察旅行招待や、旅行会社に対し200万元の送客奨励金の授与などを行い、減少傾向が続く日本からの修学旅行の需要回復に努めたい考えだ。
同日、東京都千代田区の帝国ホテル東京で開いた北京教育旅行説明会で明らかにした。北京市接待日本修学旅行委員会副主任の顧暁園・北京市観光局副局長は「修学旅行生の誘致は前途ある事業として重視している」と述べた上で、感謝状の贈呈などの誘致推進施策を発表、参加した旅行各社や学校関係者に北京への修学旅行実施を求めた。
中国での日本人修学旅行生受け入れ数は、約4万5千人を数えた00年をピークにSARS(重症急性呼吸器症候群)問題などから減少し、07年は約1万7千人にとどまっている。中国国家観光局(東京)の范巨霊・首席代表は「北京をはじめ中国各地が交通、食の安全に対する努力を重ねている。その点を中国の素晴らしさと合わせてアピールしていく」と誘客拡大に意欲を示した。
また来賓として参加した日本修学旅行協会の河上一雄理事長も登壇し、経済発展の激動と悠久の歴史を学べる中国での修学旅行の意義深さを説いたほか、中国当局のさまざまな安全対策を評価した。
誘致奨励策の一環として表彰を受けた学校は以下の通り。
東海大学菅生高等学校▽学校法人八王子学園八王子高等学校▽早稲田大学本庄高等学院▽学校法人東亜学園高等学校▽学校法人安城学園岡崎城西高等学校▽学校法人渋谷教育学園幕張中学校幕張高等学校▽東京成徳大学中学校・高等学校 |