日本温泉協会、中央温泉研究所など主催の「温泉経営管理研修会」が12、13の両日、東京都新宿区の野口英世記念会館で開かれ、約200人が出席した。 冒頭あいさつした温泉協会の滝多賀男会長は、「地球温暖化が危惧され二酸化炭素(CO2)排出量の規制が課題となる中、高温温泉や排湯の余熱利用が環境に優しい熱エネルギーとして着目されている」と、温泉の資源的価値が見直されている現状を述べ、温泉が観光、環境に果たす役割の大きさを強調した。 今回は行政、地学、医学、化学、観光、美容などの基礎講座のほか、特別テーマとして資源保護と衛生管理、排水技術を取り上げ、NPO入浴施設衛生管理推進協議会の中島有二会長やソフィアの伊藤健一氏らが講師を務めた。会場では出席者が熱心にメモをとる姿も見られた。 14日は現地見学会が行われ、約80人が伊豆半島熱川温泉(静岡)と、この温泉を給湯している伊豆高原広域別荘給湯施設を見て回った。
コンサルタントのリョケンは12月15、16の両日、群馬県伊香保温泉のホテル天坊で今年3回目、通算141回目の旅館大学セミナーを開く。会場となるホテル天坊の経営戦略を同ホテルの齋藤淑子社長らが講演。旅館・ホテルの来年の重要課題と進むべき方向を「平成21年旅館の経営指針」としてリョケンから発表する。 ホテル天坊は客室183室、収容人員779人の大型旅館。家業から企業への転換を果たして40年にわたり経営を続け、大型旅館の経営環境が厳しい現在でも、直接営業の強化、利益管理に基づく計画的なリニューアルの継続的な実施で順調な経営を続けている。 セミナーではホテル天坊の経営戦略を同社の齋藤社長、リョケンの東眞相談役、向笠圭治取締役本部長が講演。また、今年設備投資、商品整備をした全国の旅館・ホテルの事例をリョケンから紹介する。 2日目には「平成21年旅館の経営指針」をリョケンの桑原孝夫会長、木村臣男社長らが発表する。マーケティング、マネジメントなど、旅館・ホテルが行うべき施策を提言する。 リョケンでは旅館・ホテル経営者、幹部社員などを対象に受講者を募集している。申し込みは12月11日までに同社(TEL0557・83・2120)。
総務省はこのほど、個人企業経済調査(動向編)の今年7〜9月期の結果(速報)を公表した。それによると、個人企業(個人経営の事業所)の同期の業況判断DI(「よい」とする企業割合から「悪い」とする企業割合を引いた値)はマイナス71.6で、前期(今年4〜6月期)から1.8ポイント悪化した。このうち宿泊業・飲食サービス業はマイナス69.7で、前期比で横ばいだった。 7〜9月期のDIを産業別でみると、宿泊業・飲食サービス業が前期比横ばいのほか、製造業、卸売業・小売業、サービス業のいずれもが前期から悪化した。 サービス業はマイナス71.9で、前期比3.6ポイント減と、最も悪化幅が大きかった。卸売業・小売業はマイナス72.3で、同1.4ポイント悪化。4産業の中で最も低いDI値となった。製造業はマイナス71.3で、同1.7ポイント悪化した。 来期の全産業の業況見通しDIはマイナス72.2で、今期から0.6ポイント悪化する見通し。 産業別では、サービス業のみが今期から改善する見通し。 宿泊業・飲食サービス業はマイナス71.7で、今期比2.0ポイント悪化。卸売業・小売業はマイナス74.6で、同2.3ポイント悪化。DI値、悪化幅とも4産業で最も悪い。製造業はマイナス72.4で、同1.1ポイント悪化。サービス業はマイナス68.5で、同3.4ポイント改善の見通し。