コンサルタントのリョケンはこのほど、全国の旅館を対象に、外国人客の受け入れに関する状況調査を実施した。それによると、過去1年間の宿泊実績のうち、外客が占める割合は平均1.38%、外客を誘致するために何らかの対策を行っている旅館は52.6%と、約半数に達していることなどが分かった。 調査は今年10月5〜20日、全国の旅館709軒に行った。回答数は79軒で、回答率11.1%。 過去1年間の宿泊入り込み実績のうち、外客が占める割合は平均1.38%で、最も多い旅館は13.18%、最も少ない旅館は0%だった。 外客の国・地域別内訳は、台湾が27.8%、韓国が25.5%で、外客の4人に1人が台湾人、同じく4人に1人が韓国人という状況になっている。 以下は、香港13.1%、米国・カナダ11.8%、中国8.9%、ヨーロッパ5.2%、その他アジア3.9%──の順。 外客を誘致するために何らかの対策を行っている旅館は52.6%、特に何も行っていない旅館は47.4%と、約半数ずつだった。 インバウンド対策を行っている旅館のうち、主に団体客誘致の施策を行っている旅館は70.0%。個人旅行外客誘致の施策を行っている旅館は87.8%だった。 団体客誘致の施策内容は、「自社の者が相手国に出向き旅行会社等にセールス」「組合等の団体で相手国に出向き旅行会社等にセールス」がともに48.3%と約半数を占めた。「自社─」の訪問先は台湾が78.6%と圧倒的に多く、韓国は28.6%にとどまる。「組合等─」は台湾83.3%、韓国66.7%、中国50.0%。 個人旅行客(FIT)誘致のための施策内容は、「自館のホームページに外国語ページを設けている」が72.2%、「国内主体の宿泊予約サイトの英語版等に登録している」が61.1%と多かった。このほか「国内(日本の会社)の外国人専用ネット予約サイトに登録している」は19.4%、「海外(海外の会社)の宿泊予約サイトに登録している」は11.1%。 接客スタッフに関する対策内容は「外国語堪能なスタッフを常駐させている」が61.0%と多い。以下、「外国語での接遇会話集などを整備している」41.5%、「外客接遇のための研修を社内で実施している」29.3%、「外客接遇のための外部研修を受講している」14.6%、「いつでも翻訳サービスを受けられる体制にしている」9.8%。 備品などに関する対策内容は「館内案内サイン等に外国語を併記している」と「外国語の滞在マニュアルを用意(大浴場の利用方法等)」がそれぞれ53.2%。以下、「外国語の各種印刷物等を用意している」44.7%、「客室に外国語版の館内案内を用意している」38.3%、「館内誘導サイン等に絵を用いて分かりやすくしている」10.6%、「外貨の両替が可能である」8.5%。